シェーン・オニールがエイプリルのこと話すってよ

2019.09.18

Spotをご覧のスケーターのみなさま、Captain Cap Jです。数年前まで海外のスケート記事を翻訳したりするブログをやっておりました。本名で「根っこは何処へ行く」というスケボーと尺八のドキュメンタリー映画を作りました。DVDと書籍発売中です。よろしくどうぞ。

今回はシェーン・オニールがApril Skateboardsを始めた理由です。

特に日本では堀米悠斗がプロになったことでも話題ですね。

マジですごいと思います。

シェーン・オニールといえば「サイボーグ」呼ばわりされるほどの鬼テク・トッププロスケーター

 

 

SkateMental、Primitiveで看板ライダーとして活躍してきた彼が、満を持して自身のボード・カンパニーを立ち上げた経緯を、クリス・ロバーツがホストのYouTubeチャンネル、NINE CLUBで語っております。

 

 

SkateMentalを辞めた理由

・(オーナーの)ブラッド・ステイバは何でも自由にやらせてくれて、ずっと最高だった

・2015年に子供ができたことがわかって、人生を考え始めた

・Skatementalは大きなチームでもないし、特に何も動いてなかった

・当時一緒に何か仕事をしたいスケーターの友達が何人かいた

・それでSkatementalを抜けて新しい会社を起こそうと思っていた

・その頃個人的にディエゴ・ナヘラをフックアップしていた

・ディエゴは当時AMMOとFamousのライダーだった

・色々考えると全員プリミティブに参加するほうが理にかなっていた

 

プリミティブを辞めた理由

・Skatementalの時と同じく、他に一緒に仕事をしたい友達たちがいた

・他にも色々あったけど、それはビジネスの話

・オーナーシップも持っていたが、それは計画次第だし、ちょっと聞いていた話と違っていた

・自分の取り分はプリミティブに返した

・別に仲が悪くなったりはしてない

 

Aprilを始めた経緯

・友達のChris Migglebrook(元NIKE SBのブランドマネージャー)がボードカンパニーを始めたがっていた

・プリミティブにクリスを誘ってできないかも考えたが上手くいかなかった

・自分がプリミティブを辞めることは、自分にとってもプリミティブにとっても良いと判断

・プリミティブをやめてボードカンパニーを立ち上げることにした

・Aprilはクリスが考えていたブランド名候補の一つだった

・名前の由来は自分の娘の名前でも、ニンジャタートルズのエイプリルでもない

・自分としてはAprilは見た目もいい名前だと思った

 

Aprilのチーム

・光栄なことにプロも含めて色々なスケーターから連絡を受けたが

・まずは友達たちをチームに入れて始めた

・イシュ・セペーダやロニー・ケスナーは前のスポンサーから何もしてもらえてなかった

・他のところからライダーを盗むようなことはしたくない

・才能もあっていい奴だと思ったらフローにせず即チームに入れる

・そうすることで彼らに注目が集まり他のスポンサーもつくチャンスを与えられる

・Aprilにフロー・プログラムはない

 

キッズへのアドバイス

・ストリートスケートが第一。パークは簡単・安易

・うまい奴はどこにでもいる。クールでいい奴かどうかも重要

・パートだけ作ってインスタはしない、というトラディショナルなスケーターでいるのは難しい

・とにかくストリートでスケートしまくってインスタに上げまくれ

・誰にも知られていない段階でフッテージを温めておいてフルパートを出しても意味ない

・人生はあっという間だ。やりたいトリックがあるならやれるうちにやっとけ

 

シェーン・オニールってストリートリーグで優勝したこともあるからコンテスト好きかと思ってたんですけど、意外とコンテストは好きじゃないらしく、ばりばりストリート派みたいです。

まぁあんだけ滑れたらどこで滑ってもお漏らしするくらい楽しいでしょう。

「根っこは何処へゆく」の監督として思わず注目してしまったのは、「コンテスト・スケーター」と対比して、インスタなしでストリートのパートを作るスケーターを「トラディショナル(伝統的な)・スケーター」と表現しているところです。

そういうトラディショナルなスケーターが好きだけど、残念ながらほぼいなくなってしまった。

今の時代そういうやり方は難しいと言っています。

 

来年のオリンピック以降、たぶん日本では二極化が進んでいきそうですが、今もこれからもカンパニーがライダーを選ぶときの基準は、シェーンが言うようにストリート・スケートではないかと思います。

日本だとオリンピック選手に選ばれるとストリートで滑れなくなると聞いたことがあるんですが、もし本当ならプロスケーターを目指すなら結構マイナスですね。それともストリートは海外に撮りに行く、みたいになるんでしょうか・・・

個人的に思うのは、格闘技がどんだけ盛り上がってもストリートファイトは応援も奨励もされないし、格闘家になれない中途半端な輩と思われるし、最終的に通報されて終わりでしょう。

ということは、スケボーがオリンピック競技になってもストリートスケートは応援されないし、むしろ選手になれない下手くそがイキって路上で滑りやがって、とか思われそうです。

オリンピックでスケートの認知が広まると同時に「スケーターの感覚」も広まって受け入れられないと、なかなかストリートスケートは許容されないでしょうね。

それにしても一般層もオリンピックで超絶上手いスケーターばかり見て無駄に目が肥えるだろうし、近所の子供にフリップくらいじゃ「おー!」って言ってもらえなくなったら困るわ~!(笑)

Aprilが今後どうなっていくのか?ボードブランド乱立の今の時代の後どういう時代がくるのか?

気になりますね。

 

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