マーク・ジョンソンがやっぱキレてるってよ

2019.08.22

Spotをご覧のスケーターのみなさま、Captain Cap Jです。数年前まで海外のスケート記事を翻訳したりするブログをやっておりました。本名で「根っこは何処へ行く」というスケボーと尺八のドキュメンタリー映画を作りました。DVDと書籍発売中です。よろしくどうぞ。

 

今回ネタを何にしようかなと考えていたんですが、ブログをやってたときにめちゃめちゃアクセス数があったインタビュー記事に、マーク・ジョンソン(MJ)のLAKAI愛溢れるインタビューと、MJがLAKAIを抜けたときのマイク・キャロルの怒りのインタビューがありました。で、よう考えたらマイク・キャロルからの話だけでMJの言い分を紹介していなかったなと思い、かなり今更なんですが、MJの言い分をご紹介したいと思います。

 

知らない人のために簡単に説明すると、MJは長年LAKAIの看板ライダーだったんですが、2016年に突然LAKAIを辞めてadidasに電撃移籍しました。その時の辞め方がうまくなくて、LAKAIのボスで当時MJのボードスポンサーだったchocolateのボスでもあるマイク・キャロルと鬼モメして、インタビューでボロクソに言われてしまい、裏切り者扱いを受けてしまうということがありました。

 

 

その後しばらくMJは沈黙してたんですが、NINE CLUBというchocolateのクリス・ロバーツが始めたトークショー的なYouTubeチャンネルに出演した時に、LAKAIを辞めた理由を語っていました。(動画の1:21:23あたりから)

 

以下、内容をざっくりまとめます。

・2015年の9月、LAKAIのライダー契約の次回更新まであと一年という状態だった

・家に送られて来る小切手の金額が間違っていた

・問い合わせると、理由はわからない、調べて連絡するということだった

・その後何の連絡もなく3ヶ月が過ぎたときに、減給の連絡を受けた

・その減給の連絡の一週間後に母親が亡くなった

・そうしたことが重なり、もう嫌だ、FUCK YOU!という気持ちになった

・スケーターは毎回の給料でなんとか食いつないでいるような生活

・減らされた給料で今まで通り生活できるか計算してみたら、足りないことがわかった

・何かを削る必要があるが、子供にかかる費用は削れないから、家を売りに出さないといけない、最悪

・2016年4月にまた減給の連絡がきた

・その時に、君にこんな金額の給料はふさわしくないから、もっといい給料を出せるスポンサーを探したほうがいいと言われて同意した

・adidasはそのときフルレングス・ビデオ「Away Days」の撮影の最中で、今は何もできないと言われてとりあえず待つことにしていたが、4月末にビデオの監督から数トリック撮影しないかと連絡がきた

・自分の未来のシューズスポンサーになるかもしれない会社のビデオに出ないかと言われたら、もちろんやるでしょ

・「Away Days」のプレミアは5月12日、自分は直前の5月8日に撮影した

・LAKAIからは移籍を10月くらいまで待って欲しいと言われていたが、すでに給料の支払いも止まっていた状態でそれは無理だろ

そういう時にadidasから声がかかった

 

これ聞くと、まーそりゃ移籍しますわ、ってなります。

ただ、マイク・キャロルがキレてたのは移籍したことじゃなくて、事前に何の連絡もなかったことなので、adidasの撮影が決まった時点で連絡しておけばchocolateをクビにならずに済んだのでは、とは思います。

もう廃刊になってて見れなくなってますが、skateboardMAGのインタビューでadidasからプレミアの時のサプライズのために秘密にしといてくれと言われたんだ、と語っていた記憶がありますが、それでもLAKAIにくらい内緒で連絡しといてもよかったのでは。

 

print.bluetilesc.com

 

あと、給料が減るといきなり生活ができなくなる、つまり貯金がないってのもマジですかって思ってしまいました。

25年くらいプロやってて他にもたくさんスポンサーついてるかなりのトップスケーターなのに貯金ないって・・・若干自分の計画性の無さもないすか?

アンドリュー・レイノルズが貯金1億円近くはあるって言ってたし、そこまでいかなくても、レイノルズの半分くらいは貯金があってもおかしくないのでは。憶測ですけど。

MJレベルでそんなカツカツの生活してるとは思えん。

本当だったら相当夢がない。

 

で、起こってしまったマイク・キャロルとのビーフについては

・こういう時は経験上、やり返したりするよりは沈黙を貫くほうがいい

・みんなから尊敬されている人物が何か言えば、みんなそれを本当だと盲目的に信じる

・黙っている側は悪いことをしたから黙っていると思われるが

・黙っていることがどれだけ強さを必要とするのかわかってない

・しばらくは人々の非難の声に対処するのに時間がかかったけど今はハッピー

・俺は自分の息子のために決断をした

・LAKAIとこういう感じで決別してしまったのは残念だけど

・LAKAIとCRAILTAP(GIRLとchocolateのこと)での経験には感謝している

・俺たちは歴史を作った

・誰も敵対させたりしたくない

・LAKAIにもchocolateにも成功して欲しいと思っている

とのことでした。

 

最終的に落ち着いたなぁと思っていたんですが、去年(2018年10月16日)出たWhat Youthというサイトのインタビューを読むと、未だに心の傷が癒えていないようで・・・

・JENKEMのインタビューで「大企業のシューズブランドのライダーにならない」と言ったのは、インタビュアーのヤツが俺にNIKEと言わせたがっていて、でも俺はNIKEのライダーの友達とかいるから固有名詞を出したくなかったから、ああいう言い方になった

・adidasやCONVERSE、NEW BALANCE等まで含めた意味では言ってない

・JENKEMのインタビューの時は、LAKAIが俺や他の人たちにやっていた汚いマネを知る前だった

・LAKAIの奴らはマジでクソだ

・あのどうしようもないクソな会社が一気に堕ちていって嬉しい

・なぜならあいつらはチンカスみたいな奴らだから

という感じで、ヘイト全開でちょっとびっくりしました。JENKEMにも相当ムカついてます。

このインタビューの冒頭で、交通事故にあったばっかりと書いてあったので、それもあってイラついていたんでしょう。

 

Man Down(2001)でのMJのパート。この頃からadidasを愛用。

 

まあこの一連の騒動、マーク・ジョンソンかわいそうだなって思います。

たぶん自分の中でも、正当化する自分と罪悪感っつーか後悔を感じている自分が両方いていまだに戦ってそうだなぁと。

じゃないとこんなに引きずらないでしょ。

本当は友達のやってる会社でずっとライダーを続けたかったと思う。

おそらく親友レベルの友達を、お金の問題でなくすとか悲しすぎる。

プロスケーターを引退したあとも人生は続きますからね。

chocolateをクビになった後に立ち上げたボードブランド(Business & Company)もうまくいってなさそうです。

個人的に、満を持してTHRASHERで発表されたビデオには死ぬほどがっかりしました。

enjoiを途中で放り投げた過去もあるから、ライダーも集まりにくそう、ていうか2019年3月でインスタの更新も止まってるんで、すでに終了しているのかもしれません。

自分はGirlとChocolateが神だった世代なので、ヒーロー同士がいがみあうのとか見たくなかったです。今後こういうことは起こらないで欲しいですね。

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