ミルトン・マルチネスが 2019年のSOTYだってよ

2019.12.10

Spotをご覧のスケーターのみなさま、Captain Cap Jです。数年前まで海外のスケート記事を翻訳したりするブログをやっておりました。本名で「根っこは何処へゆく」というスケボーと尺八のドキュメンタリー映画を作りました。DVDと書籍発売中です。よろしくどうぞ。

マーク・スーチュウが今年のSOTY確定、これを超えるパートは出ねえと思っていましたが、アルゼンチンが生んだナーリー大魔神、ミルトン・マルチネスのパートがヤバすぎて、むしろ今年のSOTYはミルトンじゃね?という気がしている今日この頃です。この記事がSPOTに載る頃にはスラッシャーで発表がされているかもですね。

今回はおそらく2019年のSOTY、ミルトン・マルチネスのこれまでの軌跡を追ったスラッシャー記事のご紹介です。この記事を読むかぎり、スラッシャー的にもミルトンを推しているように見えます。

 

 

まずミルトンは

・とにかくスピード狂

・サンフランシスコのスケーターのダウンヒルに影響を受けた

・「Scabs for Slabs」オーストラリアツアーでの、シドニーハーバーブリッジのドロップインはミルトン自身もできると思わなかったそう

 

ミルトン幼少期

・家族全員、アルゼンチンのマル・デル・プラタにあるスケートショップ(おそらく家族が経営)に住んでいた

・営業が終わると毎晩店舗内にベットを移動してそこで寝ていた

・父親も母親も兄弟も全員スケーター(ちなみに嫁さんも娘もスケーター)

・父親はアルゼンチンのプロスケーター

・ストリートで色々悪さもしていたが、最終的にスケートにハマる

・好きなビデオはFLIP「Sorry」のアート・サーリとトム・ペニー、アルゼンチン人で初めてアメリカでプロになったディエゴ・ブッチエリのToy Machineのビデオ

・REDBULLがスポンサーについてコンテストに出るようになる

・高校は行かずにスケートを選択

 

アメリカに挑戦

・アメリカに移住する前、ミルトンはアルゼンチンですでにプロとして活動し、スポンサーからの給料も家もあり、彼女との間に子供もできたばかりだった

・しかしスケート・ドリームを追い求めるため、アメリカに移住しゼロから再スタートを切る決断をする

・アルゼンチン時代のスポンサーつながりでNHS(CreatureやIndependentの親会社)とコネクションがあったものの、英語が全く喋れなかったため、スポンサーを頼みにも行けなかった

・アルゼンチン時代に知り合ったスラッシャーのビデオグラファーだったP-STONEから、Creatureの人たちを紹介してもらった。

・ミルトンは当時Dogtownのライダーで、プロに昇格して月給800ドル(約8万円)になるオファーをもらっていた

・Creatureは金銭なし、ボードを貰えるだけだったが、より良いボードスポンサーを探していたミルトンはCreatureを選択

・P-STONEと撮影を続け、車に轢かれたり多くのスラムを乗り越えながら「Creature Fiend」でパートを獲得

・その後もVolcomやConverse、Thrasherのビデオなどメジャーな作品に出演を続けたおかげで、家族をアメリカに呼ぶことができた

 

ミルトン現在

・身長は160cmくらい

・タバコは嫌いだけど大麻は大好き

・最初に入れたタトゥーは右腕のチャーリー・チャップリン

・左手には「Don’t Worry, Be Happy」

・普段はメロウだがスケートするときは殺人を犯しそうなテンション

 

2019年「DEMOLICIÓN」パート

・自身初となるThrasherのインタビュー記事作成のため、今年一年は1本のビデオパートに集中したいことをスポンサーに告げる

・コリン・プロヴォスト、フィギーと多く一緒に滑ることで、お互いを高め合うことができた(ちなみに今年コリンはToy Machineのビデオでトリ、フィギーはBaker4でトリを飾った)

 

ギャップ越えリップスライドのスポット

・ギャップを飛んでからのフロント・リップのスポットは、ジェイミー・トーマスでもジェフ・ロウリーでもオーリーすらメイクできなかったスポット。2000年にクリス・ランバートがついにオーリーをメイクしトランスワールドの表紙になった。

・そんなスポットでミルトンは、ろくにウォームアップもせずにオーリーをファースト・トライでメイクし、次にあっさりリップスライドをメイクしてしまった

・簡単にメイクしすぎてつまらなかったのか、「ノーズ・グラインドもやるべきっしょ?」というミルトンを、みんなで「落ち着け!」と止めた

キックフリップ・インのスポット「カーウォッシュ」

・2016年に一度トライするもウォームアップのオーリーインでミスってくるぶしを破壊

・誰かがバンクに「Jake Phelps(今年亡くなったThrasherの名物編集長)」とスプレーで書いたという話を聞いてブチ上がり、再トライすることに

・再トライではオーリーインをあっさりメイクしたものの、キックフリップはメイクできず

・日を改めてトライするも失敗

・さらに日を改めてトライし、警察の目をかいくぐりながらついにキックフリップ・インをメイク

・メイクした瞬間は仲間たちでワールドカップでアルゼンチンが優勝したような騒ぎに

・残念ながらこの日までには「Jake Phelps」のスプレー書きは消されていた(Baker4の冒頭にまさに書いているシーンが出て来ますね)

このスポット「カーウォッシュ」、一番最初はカーディエルがメイク、それに続いたゴンズが鬼スラムしたエピソードも有名ですね。ジム・グレコがグラブなしでオーリーインをメイクした後は誰も何もできてなかったんじゃないでしょうか。ダスティン・ドリンがキックフリップにトライして見事に散っています

 

 

それにしてもこの文字通り「Skate or Die」な「DEMOLICIÓN」パート、なんと今年一年で完成させたんですね・・・このパートに至るまでのストーリーも胸熱です。

断言しよう、2019年のSOTYはミルトン・マルチネス以外におらん!!!すまんスチュウ!!!