コラム ホモロー 第7回:芸術の話
2018.10.04
今年の台風ビビりましたね……。
ボロボロの町家に住んでるのでマジで家が飛ぶ覚悟しました。
どうもボードウォークのホモローです。
たまたま定休日でシャッター降ろしてたんで店も大事にはいたりませんでしたが、大きな被害を受けてらっしゃるお方も多数おられると思います。
1日でも早い復旧をお祈り申し上げます。
さてと、凶暴な台風が一気に盆地に溜まった熱気を取りさらって、日が落ちる時間も早くなり、ここ京都も秋を思わせる空気になって来ました。
秋と言えば、読書の秋?食欲の秋?はたまた、八代の亜紀…あ、ブリザード級の昭和の親父ギャグほりこんでしまいました。
僕はクソ長い駄文コラム書いてるくせに読書は目次の時点で寝てまいます。
呑むばっかで肴はエイのヒレ1枚で満腹系の食はゴリ細。
て事で芸術の秋と洒落こんで今回のコラムを書かせて頂きましょうか。
デッキを筆に持ち変えたプロスケーターたち
スケボーの世界って、例えばキックフリップにしても、デッキが1回転して乗ればそれでOKってことでもないと思います。
高い低いや、もっと突き詰めたら抜き足の蹴り方、後足を寝かせ方、到底ニュースクールから程遠いオッサンレジェンドスケーターが、低くてもフリップを乗ったらソレはソレで非常に高い評価があるのでは?と僕は思います。
競技としてキックフリップには○○点って一律に決められてしまうと、勝つために出来るだけ多く回して、低く確実に乗って点数を稼ぐことに重きが置かれるか思いますが、現状そのような高速回転で高さの低いフリップに“美”を感じるスケーター様は少ないのでは無いか?と僕は思います。
つまりたった1つのトリックを取り上げてみても、スケボーってやつは個々の個性や表現力を問われることが多いんです。
その様なスケボーというフィルターを通して個性や表現力に感性を、身体を使って磨いて行く”動”の過程で、相反する”静”の場面と申しましょうか?
デッキを筆に持ち変えて芸術の世界でも磨かれた個性に才能を発揮しているプロスケーターさんが沢山おられるように感じます。
まずコッチ系の話題になると現Krookedボスのマーク•ゴンザレスさんの名前が挙げられますが、僕が小さい頃どっちか言うとマークさんはそこまで“静”としての芸術的才能を前面には出されてはおらず、あくまでもスケートボードを使って芸術的トリックを産み出す“動”のプロとして活躍なされていたと記憶しています。
そんな僕が子供の頃、この人はもう芸術家の域や!と感じた最初のプロスケーターさんは
当時多分G&S社に所属していたニール•ブレンダーさん。
つい最近自身でブランドを立ち上げたマーク•ジョンソンさんが、この動画をサンプリングしてブランドイメージ映像をアップされていたので、インスタやYouTubeで何か観たなぁ?て方もおられるかもですが。
ドクロにハードロックにスラッシュや何や言うてた攻撃的なスタイルが流行していた時代に、地味にノーミスで長身を生かしたメロウな流れるような滑りに、お笑い要素も入れつつ一応コンテスト中ぽいので緊張感あるであろう会場内で、そんなもん一切気にするそぶりもなく、悠々と会場の壁に落書きする一連の自己表現の暴走っぷりが、パフォーマンスアートに通ずる素晴らしい芸術的スタイルを魅せてくれています。
こちらのパートも個人的に大好きなニールさん、ランスさん、オーさんによるトリプルパート。
映像内でニールさんの作品がインサートで出たり、ミニランプに実際に絵を描いてらっしゃるシーンも観る事が出来ますが、ピカソに影響を受けられたのかキュビズム(ピカソらが創出した現代美術の動向)に傾倒した、大変素晴らしい作風が見てとれます。
続いて若い皆様には慣れ親しんだジャンルかとは思いますが、海外のシーンの情報が少なかった時代、海の向こうではこ~ゆ~絵画のアプローチがあるんや~て驚かされたのが、当時NEW DEAL社に所属していたアンディ•ハウエルさんの作品。
動画内では確認が難しいですが、ゆわゆるストリート(道)の壁にスプレー缶で絵画を描くことが起源のグラフィティアートに傾倒しプロスケーター兼同ブランドのデッキデザインや
広告デザインを数多く手がけられた後にゼロソフィストというアパレルブランドを立ち上げられたアンディさん。
今でもそのような傾向は強いですが、僕が小さい頃は今より更に”ただの落書き”、”ただの犯罪行為”としてしか捉えられてなかったジャンルで、デッキやTシャツ等作品を”商品”として手に出来たことの衝撃は今の子達にはちょっと理解しにくいかもですが当時の僕はホンマ驚きました。
通常、このジャンルはヘリングさんやバスキアさんに最近ではバンクシーさん等から興味を持たれる方が多いかもですが、僕はスケボーしかしてなかったので紛れもなく彼、そうアンディ•ハウエルさんからこのグラフィティアートというストリート発祥の芸術を知りました。
他にも「あ、見た事ある!」ってなられた方も沢山おられると思いますが、デッキブランドのTOY MACHINEのアートワーク。
これは同ブランドボスのエド•テンプルトンさんが手がけたもの。
彼もバリバリの最前線のプロスケーターから現在は画家、写真家としての方が有名になってる感があります。
「あ、履いた事ある!!」ってなられた方も沢山おられるかと思いますが、NIKEsbのステファン•ジャノスキーさんも現在もバリバリ現役プロスケーターで活躍しつつ、個性的なブロンズ作品を多数発表なされています。
皆様があんまり馴染みのないマニアックなスケーターの割合が多かったかもですが、僕個人が“動”の部分のプロスケーターとしてはもちろん“静”の部分の芸術家としても素晴らしい才能をお持ちだなぁ……と思った方々の極々一部をご紹介させて頂きました。
ただ、彼達が特別であったとは思いません。ちょっと自己表現が上手かっただけで、お店でもデッキテープで切り絵したり、スプレーで絵を描いたりしてる子供達が沢山いてくれています。
ほとんどの子が友達とは違った、かっこいいスケボーに乗って目立ち(モテ)たいというコンセプトにブレがないが故に、本当に素晴らしい作品が完成して、何気ない日常のお店の中でも、この子物凄い感性の持ち主やなぁ……て驚かされる事が多々あります。
文頭にも書いていたように友達とキックフリップの練習しあって
「お前今のはダサわ」「いやお前こそ」と、相手のトリックへのディスり合いの中でお互いの完成”美”への追求をしたり……
滑り終わって晩飯までに間に合うように急いでチャリ漕いでる時に見たビビるくらい奇麗な夕焼けに思わず立ち止まってインスタ映え狙ってしもたり……
スポットの空気がどんよりしてきたからココらで一発お笑いトリックして場を和まそうかな?やったり……
スケーターって人種はとかく芸術への才能が知らん間に培われてる可能性が非常に高いと僕は勝手に思っています。
平成最後の芸術の秋。
コレを読んだあなたも自分なりのアプローチで芸術を楽しむとスケボーの視野が広がるかもですね。
真面目フレーバー多めでした?
僕も頭使い過ぎてオーバーヒートしたかな?
さっきから脳みその右奥らへんがかゆいんで今回はココらで。
今夜は結構涼しいんで頭冷やしてからコンビニでいつもの買って秋の月見酒でもしますわ。
ほな お~きに。