【勝敗を分けたノーズブラント】ストリートリーグ・スーパークラウンで中山楓奈が準優勝、西矢椛が3位!
2022.11.08
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11月6日(現地時間)にブラジルのリオデジャネイロで行われた世界最高峰のスケートボードコンテストのストリートリーグ(Street League Skateboarding略してSLSと呼ばれる)の今季最終戦スーパークラウン(World Championship)が開催され、予選をトップで勝ち上がった中山楓奈が準優勝、西矢椛が3位でそれぞれ表彰台に上がり、織田夢海が8位の成績を残した。
優勝はブラジルのライッサ・レアウ、今季SLS4戦全勝で完全制覇を果たした。
男子は今季2勝している堀米雄斗のスーパークラウン初制覇が期待されたが、シングルトリックを1本も決める事が出来ずに決勝7位。
優勝は45秒のラインで9.3点を獲得しシングルトリック最後にフロントサイドノーズグラインドノーリーフリップアウト(前の車軸でレールを滑り降り、最後に後ろ足で板を縦に一回転させて着地する技)で9.3点を出して逆転優勝した、ポルトガルのグスタボ・リベイロとなった。
日本勢からは他にも白井空良、西村碧莉が参加したがいずれも予選で敗退した。
SLSスーパークラウン決勝はツアー3戦の成績(チャンピオンシップポイント)上位4名が出場でき、残り4名の座が予選で争われる。
男子は堀米雄斗がリーグ順位4位、200点(2戦優勝し1戦は膝の怪我の為、棄権)で5位の白井空良と10ポイント差でファイナルへの進出を決めていた。
女子は織田夢海がリーグ順位3位(240点)西矢椛が4位(232点)でファイナルへ進出、中山楓奈は予選からスタートし首位で決勝進出を決めた。
SLS通算23回の優勝を誇るナイジャ・ヒューストンは大会前に本人のインスタグラムで膝前十字靭帯損傷を報告し、今大会を欠場している。
【SLSスーパークラウンの軌跡】
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・ストリートリーグは45秒間自由にコース内を滑走するラインを2本と、一発技のシングルトリックを4本行い、上位4名(トップのラインスコア+シングルトリック上位2本の合計得点)がさらに2本のシングルトリックを行うスーパーファイナルに進む。
・最終的にラインのトップスコアとシングルトリック上位2本の合計得点で順位が争われる(1トライにつき10点満点で採点)。
※ 9点台の得点はナインクラブと呼ばれ、賞賛される。
世界中から選ばれたスケーターのみが参加でき(男子32名女子17名、合計49名※欠場者含む)出場出来る事自体がスケーターにとっては名誉な事で、世界トップでありながらキャリア絶頂期のスケーターである事を意味する。
【スーパークラウン過去の優勝者と決勝に進出した日本勢】
2016年 男子優勝 シェーン・オニール 2位 ナイジャ・ヒューストン
女子優勝 レイシー(現在はレオ)・ベイカー 5位 西村碧莉
※この年日本人初参加
2017年 男子優勝 ナイジャ・ヒューストン 2位 シェーン・オニール
女子優勝 レイシー(現在はレオ)・ベイカー 4位 西村碧莉
2018年度 男子優勝 ナイジャ・ヒューストン 8位 堀米雄斗
女子優勝 西村碧莉
※開催日は2019年1月13日、この年日本人がスーパークラウン初優勝
2019年 男子優勝 ナイジャ・ヒューストン 2位 堀米雄斗 6位 青木勇貴斗
女子優勝 パメラ・ロザ 3位 西村碧莉 8位 織田夢海
※2020年はコロナ禍の為中止
2021年 男子優勝 ジャガー・イートン
女子優勝 パメラ・ロザ 3位 西矢椛 7位 中山楓奈
【勝敗を分けたフロントサイドノーズブラント/中山楓奈】
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女子決勝はスーパーファイナルで最後の2トリックを行える上位4人争いが過熱。4位の座を狙って地元パメラ・ロザ、中山楓奈、中国のゾエの三つ巴の争いに。
ゾエがハンドレールでサラダグラインドをメイクし4位につけると、すかさずパメラがバックサイドスミスグラインドで逆転。中国人選手初のスーパークラウン進出者ゾエが“スーパーファイナルに行けるかもしれない”という面持ちで過ごす中、パメラの逆転を見た瞬間、笑顔と拍手で祝福する姿が印象的だった。
直後の中山、シングルトリック4本目は、これまでにフロントサイドKグラインド1本しか決めていない為、後がなく2本目と3本目で狙っていたフロントサイドフィーブルグラインドから、バックサイドK(クルックド)グラインド(トラックと呼ばれる車軸を斜めにレールに掛けて滑り降りる技)にチェンジ。見事メイクすると一気に首位に立つ。
ここで昨年優勝者のパメラは5位が確定する。
スーパーファイナルで迎えた5本目、完璧に決めれば高得点が期待出来るフロントサイドノーズブラントスライド(空中でレールをまたぐように飛び、ノーズと呼ばれる板の先端で滑り降りる技)を狙うもミス。
その後、ライッサ・レアウがバックサイドスミスグラインドを決め、7.4点を獲得し合計21.1点で2位の西矢に1.7点差、3位の中山に1.9点差をつけ、トップに立つと地元ブラジルの観客は大歓声。
7.3点以上を獲得すれば優勝の最終場面でフロントサイドノーズブラントスライドを着地でグラつきながらも見事にメイク、得点は6.9点に留まったが準優勝に輝いた。
ハンドレールでのフロントサイドノーズブラントスライドが、完璧にメイク出来ていれば確実に7.3点以上は獲得出来たように思えたが、着地でグラつき審査員にスケッチー(完璧ではない)判定されてしまい減点されてしまったように思われるが、土壇場でグラつきながらも何とか技を決めきった姿に、見ている誰もが震えた事だろう。
【スタイリッシュな滑りはNo1/西矢椛】
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スタイリッシュな滑りが持ち味の西矢はラインで5.5点を獲得すると、5位でシングルトリックへ臨み、シングルトリックではすべてハンドレールを攻めた。
1本目フロントサイドリップスライド5.3点
2本目フロントサイドフィーブルグラインド6.7点
3本目バックサイドリップスライド7.0点と、危なげなく3本のシングルトリックを決め、2位でラスト2本のトリックが行えるスーパーファイナルへと進む。
最後の2本はビッグスピンフロントサイドボードスライドに挑み続けるも、メイクは出来かなったが3位に。最後まで果敢に攻める姿に、観客から大きな歓声が送られた。
【言葉の壁を越えるスケートボード】
世界最高峰の舞台の中、世界最高峰のスケーター達の顔ぶれの一人として肩を並べる彼らの姿は何度見ても、いつも本当にワクワクする。
よくスケーターはスケートボード1つあれば、いろんな人とも仲良くなれるし、いろんな国の人とも遊べるので、スケートボードは共通言語だとも言われる。
筆者も学生の頃に、オーストラリアから観光に来たバンドマンのスケーター達と、一切英語が出来ないにも関わらず、毎日夜はスケートボードでセッションし、最後にはお別れパーティまでした記憶がある。
今みたいにSNSが無い時代で連絡はもう取っていないが、それがスケーターにとってスケートボードは共通言語なのだと実感した初めての体験だった。
こんな素晴らしい文化のあるスケートボードの世界最高峰の大会で、日本で育ったスケーター達が世界中から最高の賞賛を受けている。こんなにも素晴らしい光景が見られることに、勝手ながらスケートボードファンの一人として心から彼らに賛辞を贈りたい。
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