INTERVIEW:中浦大輔がスケートボードで叶える夢

2020.02.06

先日フルパートを公開したことでも記憶に新しい“キセキの中浦”こと中浦大輔。

プロスケーターとして名古屋を拠点に、その活動は海外でのコンテストやシューティングにまで及ぶ。

そんな大輔が年末に岐阜のスケートショップALL UNDER CITYにてコンテストを主催。

独自のプロ論を持ち、人とは違ったルートを辿る彼に話を聞いた。

 

ーーじゃ軽く自己紹介お願いします。

 

中浦大輔です。キセキの中浦でーす。

4歳から15歳までアメリカに住んでました。

オハイオ州のフィンドレーって街にいたんだけど、こっちでいうママチャリみたいな感じでみんなスケボー乗ってたから自分もそれ見て自然にスケボー始めた。

15歳の時に名古屋帰ってきて日本で活動してるね。

 

ーーなんで“キセキの中浦”って呼ばれてるの?

 

スポットに着くといきなりノリでとんでもないことやっちゃうから、X-DOME(現クエストパーク)まわりのスケーターから「奇跡だ」って言われるようになって。

そこから当時出始めだったインスタで名前をキセキの中浦にしてからずっとそれ使ってる。

 

ーー肩書はプロスケーター?

 

うーん、AJSAプロじゃないけどね。笑

でも去年からスケボーだけで飯食えるようになったね。

金稼ぎ始めたのは高校生くらいかな。

高校3年生から東京で一人暮らし始めて、アクエリアスのCMとか出たりデモでコツコツ稼いだり、スケートの代理店で働いたり。

AJSAのプロ戦って全部買っても数十万。

年間数十万だとプロですかって。

それだったら別の方法だったり、スポンサーを自分で探してきてスケートだけで食えるようにならないと。

 

ーーCMといえば、ホームズ君(不動産サイトのキャラクター)の着ぐるみ着てたもんね。

 

そうそう。東京いる時に、小島優斗からの紹介で、着ぐるみ着てハンドレール入れるやつ探してるって言われて。

詳しく聞いたら結構ハードな内容で。

こっちは命かけてやってるからこの金額じゃできねぇって言ってギャラは倍にしてもらったけどね。

そこから少しづつ名前が売れてきて、着ぐるみって言ったらアイツだろってなって。

少し前にもモンストのイベントでオラゴンっていうキャラクターの中に入ってドロップインした。笑

 

 

 

この投稿をInstagramで見る

 

Daisuke Nakaura(@kisekinonakaura)がシェアした投稿

 

ーーダイスケはいつもデモが派手だよね。

 

やっぱりプロだからデモでみせれないとダメだと思うもんで。

スケートやってない人たちが見てもヤベェってなるようにしてる。

とりあえずシンプルにやることがデカいとか、高く飛んだりとか分かりやすいことしてる。

あとはテクニカルなやつをちょこっと。

その時に思いついたトリックで、初めてやる技を1発目から乗りに行くから血まみれなるし、板折れるし。

1日4枚折れたこともある。笑

 

 

ーー海外のコンテストもよく出てるね。

 

きっかけはBMXライダーの勅使川原(てしがはら) 大地に誘われて韓国のコンテストに出たことなんだけど。

ライダーとかを選んでるそのコンテストのマネージャーに自分から出たいから招待してくださいって映像付けてメールしたんだよ。

そしたら招待のメールが返ってきたのが始まり。

そこで海外のスケーター達と仲良くなって、何かイベントがあれば呼ばれることが多くなった。

よくどこにいるか分からないって言われる。笑

プラハには毎年りょうちゃん(瀬尻 稜)と、行ってる。

毎年これが最後って言いながらずっと行ってる。笑

中国とかもそう。

何食ってるか分かんないからずっと腹壊してたし、スケートスポット以外はあんまり良くない。

けど、結局行っちゃうんだよね。笑

行くところが毎年一緒だから、今度はこのスポットでこれやろうって考えちゃう。

 

ーー海外でのスポットチョイスについて。

 

見た時にどこの国かって分かるところがいいな。

例えばチェコだったらスターリンプラザとか。

街の特徴がちゃんと出てて、滑りやすくて、キックアウトがないみたいな。

まぁ海外にいても日本にいても田舎は田舎。

周りの景色が大事。

このあいだ公開したパートにもたくさん出てるから是非みてほしい。

 

 

ーー日本のスケートについて。

 

最近パークが増えてちゃんと練習ができるようになってきた。

海外のパークと比べると日本のパークは規模が小さいし、古いパークだと配置とかもおかしかったんだけど、今はいいパークが出来てるよね。

まぁ変なパークもあるけど。

やっぱりスケーターの意見をちゃんと聞いてるところはいいパークができてる気がする。

俺も個人レベルのパークをいくつか作ってるから依頼があればプロデュースするよ。笑

 

あとパークとかスポットであいさつした方がいいよ。笑

最近しないやつ増えてきて。

始めたての子に多いけど。

昔だったらパークから追い出されたり、怒られたりしてたよね。

今だから笑えるけど。笑

まず挨拶、自己紹介。これ基本。

コケてケガしてたりしても、最初にあいさつ一つしてたらこっちも声かけやすいじゃん。

パークだからラインが誰かとかぶったり、セクションに入る順番だったり、暗黙のルールがあって、基本的にはうまいヤツがビギナーの子に譲ってることが多い。

避けてもらったり、順番譲ってもらってるのに一言もなく帰っちゃったら「あいつ何だよ」ってなっちゃう。

だからみんなあいさつ出来たらいいなって話。

パーク着いたらみんなでゴミ拾いとかするし、気がきく子は手伝ってくれる。

吸い殻とかゴミまみれのパークで滑るの嫌じゃん。

コミュニケーションとるのは大事。

今はもうそういう年代の先輩みたいな人がいなくなっちゃって。

そういう人がいても良いと思うんだけどね。

ビシッとするじゃん。

 

 

ーー今後の活動はどんな感じ?

 

今年から(ホンダール)と契約したんだよね。

だからこのブランドを日本のみんなにし売ってもらうために頑張りたい。

あとは海外に通用するようにノウハウを教えたり、コーチしたりってこともしていきたい。

本気で海外で戦いたいって思う子がいれば教える。

繋がりも多いし、いろんなところに送りこめるからたくさんチャンスは与えられると思う。

遊び半分とか、家庭教師みたいな中途半端な感じだったらやらないけど。

あとは今日みたいにコンテストやったりね。

思ったよりみんな来てくれてすごく盛り上がったから楽しかった。

遠くから遊びに来てくれた子達とか、こういう機会をくれたALL UNDER CITYにも感謝してる。

 

 

 

まだまだこれから叶えたい夢がいっぱいある。

今はそれを夢を叶えてる途中。

この間前から欲しかった100万くらいのロレックス買ったんだよね。

いつも欲しいものを目標にしてて。

だから高級車とか見に行ったり、試乗したりするんだよね。

次はこれを買えるようになるんだって自分に言い聞かせるために。

11月に入籍したし、前から夢で飼いたかったシベリアンハスキーを家族に迎え入れたから、頑張ってスケボーで稼いで養っていかないと。

 

ーースケートファンへ。

 

とりあえずスケートを楽しんでまっすぐ。

道を外れず夢に向かってください。

 

中浦大輔(1995年6月30日生まれ)

 

 

関連記事