5月12日から14日にかけて千葉県のZOZOマリンスタジアムで開催された（２日目は雨天の為中止）X Games Chiba 2023のスケートボード・ストリート種目で、男子は小野寺吟雲（13歳）が優勝。女子は西矢椛（15歳）が銀メダル、赤間凛音（14歳）が銅メダルを獲得した。

スケートボード・女子ストリートは初日に予選が行われ、2日目に決勝が行われる予定だったが、雨天の為中止になり予選の結果がそのまま決勝の結果となった。
優勝はブラジルのライッサ・レアウ（15歳）で予選1本目のランから、14段のハンドレールでバックサイドリップスライド、バックサイドスミスグラインドなどを含むノーミスのランを見せ、88.33点を獲得し優勝。

2日目が雨天中止となった為、男子ストリートは3日目に予選参加者全員で決勝を行うことに。
当初出場する予定ではなかった、アメリカのナイジャ・ヒューストン（X Gamesでの金メダル13個！）が出場しファンには嬉しいサプライズがあった中、驚異のランを見せたのが13歳のX Games初出場、小野寺吟雲だった。
1本目のランから、ほぼ全ての技を回し技と呼ばれる板を空中で回転させる技の構成で、45秒を滑りきり、90.33点を獲得。
2位のケルビン・ホフラー、3位のジェイミー・フォイといった世界のトップスケーター
に6点以上の差をつけての優勝となった。

ちなみに今大会の金メダル受賞者は、7月21日〜23日にアメリカのカリフォルニア州ベンチュラにあるベンチュラカウンティーフェアグラウンズ&イベントセンターで開催されるX Games Californiaの出場権を自動的に獲得するとのこと。
なお、昨年優勝の堀米雄斗は今大会不参加だった。

【トニー・ホークも驚く完璧なラン/小野寺吟雲】

小野寺吟雲/キックフリップブラントスライド ビッグスピンアウト

大会2日目は天気予報通りの雨が降り、男子ストリート決勝が行われる3日目も、前日までは雨予報だったがこの日は違った。

この日、彼は本当に自然をも動かしてしまったのかもしれない。

決勝が開始されたのがお昼の12時だったが、この時間は彼の為に雨が降らなかったのかも？そう思わせるような完璧な45秒のランだった。

前日に行われたスケートボード界のスーパーレジェンド、トニー・ホークのインタビューで彼は、小野寺選手のことを「まるでビデオゲームのキャラクターのようで考えられない」と評していたが、まさにその通りとなる最高難度トリックの連続だった。

以下、小野寺選手1本目のラン

※「」内はセクション名

「バンク トゥ バンクのレール」キックフリップ バックサイドテールスライド フェイキー

「クォーター」キックフリップブラント フロントサイド180キックフリップアウト

「バンク トゥ レール」スイッチヒールフリップ フロントサイドボードスライド

「バンク トゥ バンク」バリアル ダブルキックフリップ

「14段ハンドレール」キックフリップブラントスライド ビッグスピンアウト

「バンク トゥ バンク」キックフリップ

「クォーター」ノーズグラブ540

「バンク」バックサイドビッグスピン

45秒終了のブザーが鳴った瞬間、見ている誰もが驚きを隠せない中、13歳のチャンピオンは両手をあげて喜びをあらわにした。

【スタイリッシュな連続技/西矢椛】

西矢椛/バックサイドリップスライド

2週間前（4/29）にアメリカ・シカゴで行われた世界最高峰の大会、ストリートリーグに参戦後すぐの大会となった西矢選手。

ストリートリーグではライッサ・レアウが優勝し、西矢選手が準優勝の結果だったが、今大会もこの2人がワンツーフィニッシュを飾った。

以下、西矢選手1本目のラン

※「」内はセクション名

「14段ハンドレール」バックサイドリップスライド

「バンクからのレッジ」バックサイド50-50グラインド

「ダウンレール」ビッグスピン フロントサイドボードスライド

「14段ハンドレール」サラダグラインド

「バンク トゥ バンク横のレッジ」バックサイドスミスグラインド

「バンク」キックフリップ

「ダウンレール」フロントサイドフィーブルグラインド

スタイリッシュな滑りでフルメイク、86.66点を獲得した。

【誰もやらない技で表彰台へ/赤間凛音】

赤間凛音/フロントサイド270リップスライド

受賞式後のインタビューでは「他の人がやらないような技を大会で出したい」と話した14歳の赤間選手。

言葉通りのラン見せ、83.66点で見事銅メダルを獲得した。

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