FPインソールからシグネチャーを発表した戸枝義明に、インソールの重要性を聞いた
2018.06.19
たかがインソール、されどインソール。普段あまり意識することのない人も多いだろうが、積み重なる着地の衝撃は、足裏だけではなく膝や腰の関節にも疲労を与えている。良いインソールは、文字通り「縁の下の力持ち」として身体を守ってくれ、長くスケートライフを楽しむのに欠かせない存在だろう。
スケート業界で“最強インソール”として名高い「FOOTPRINT INSOLE(以下、FPインソール)」。米軍御用達の特殊素材を採用し、人体に影響を与える衝撃の90~95%カットするといわれ、生卵を落としても割れないというパフォーマンスを目にしたことがある人も多いだろう。
生卵すら割れないパフォーマンスで有名なFPインソール。
そんなFPインソールから、戸枝義明のシグネチャーモデルがワールドワイドで発売。発売記念イベントとして、2018年6月16日、足立区西新井に位置する雑貨を扱うスケートパーク「8times corner store」にてローンチパーティーが開催された。
当日は戸枝義明が運営する「BAP FOOD TRUCK」によるフリータコスやフリービアーが振る舞われるなか、インソールのデザインを手がけたイラストレーター・NARIによる作品展示も。FTCのライダーとしても活躍する片方遥によるDJで、会場は盛り上がりをみせた。
戸枝義明にインソールの必要性、そしてNARIにイラストに込められた制作秘話を聞いてみた。
戸枝義明に聞いた
インソールって重要ですか?
ー 今回、どういった経緯でシグネチャーモデルの発売となったのでしょうか?
Bigwingのハブト君から「シグネチャーを作らないか」という話をもらったのがきっかけで、後日、FPのボス・ジェイソンからも「ぜひ出そう」と。そういう流れです。
ー スケーターにとってインソールって重要なんでしょうか?
やっぱり吸収力。とくにステアを飛ぶ人はマストっすね。FPインソール履いてると全然違います。かかとを痛めることもないし。
あと意外に見過ごされているのが、長時間滑っても疲労を溜めずにスケートできること。足裏にフィットしてグラつきが減るので疲労感を軽減できると思いますよ。一度試してもらえると、(スケートが)変わることが実感できると思います。
ー 戸枝さんは、いつからFPインソールを使ってますか?
FPインソールを使うようになったのは3~4年くらい前。それまでは他のブランドのインソールを使ったり、調子良いのが無い時は同じ靴のインソールを2枚入れたりとかしてました。けど、FPにしてからは1枚でいいし、常に調子良い感じ。
自分は撮影でステアを飛んだり、ちょっとした段差を飛ぶ時とか、今はFPインソールが無いとキツイっすね。それで足痛めちゃってスケートできなくなっちゃうのが辛いんで、絶対入れときたい。
ーシグネチャーが発売されたことについてどう思いますか?
いやーうれしいっすね。日本人で最初にコウタ(池田幸太)のモデルが出た時もすげーうれしかったけど、その次に自分のモデルを作ってもらえたというのは喜ばしいっすね。海外のブランドっていうことで、向こうのボスが認めてくれてたのも誇らしいです。
ー NARIさんが手がけたデザインの感想を聞かせてください。
最高っすね。NARIちゃんは普段、大きいお尻をした外国の女の子とかを描くスタイルのイラストレーターなんです。彼女がよく描く女の子の絵の世界観のまま、僕がスケートで滑ってる時の絵を描いてもらって、一緒の世界に入っている感じがすごくうれしかった。
ー FP戸枝義明モデルが気になっているみんなに一言お願いします。
僕的にもNARIちゃんのデザインをすごく気に入ってるし、スケートしてる人でまだFP使ってない人は今回を機に試してもらいたいな。
NARIにインタビュー
デザインのコンセプトは藤沢?
ー 今回、どういう繋がりで、NARIさんがデザインを担当することになったのですか?
戸枝くんとは地元が同じで、いつからというのも覚えていないくらい古い友達なんです。その戸枝くんがシグネチャーモデルのアーティストを選ぶ際に、「同じ藤沢の人で発信したい」という思いがあったみたいで、私に話をくれたのがきっかけです。
ー 今回のデザインのコンセプトを教えてください。
今回の絵では、男の子がスケートしていて、まわりで女の子たちがワーってなってる光景を表現したんです。地元の藤沢や湘南では、日常的にあふれている光景。せっかく同じローカルの戸枝くんと私が組んだので、一目で藤沢が伝わるようにという想いがありました。
話を受けた時に、パッとその光景が思い浮かんで「こういうのはどう?」って言ったら、それだったらスケートのカットも入れられるし、私がいつも描くちょっとだらしない女の子やBig Booty(おっきなお尻)のイメージも入れられるから、いいねって感じで固まっていきました。
土地柄にこだわった一方で、これは普段自分の作品でも意識していることなんですけど、全世界で発売されると聞いたので、女の子もいろんな人種の子を入れています。世界中の人に手に取ってもらえるのはうれしいですね。
ー NARIさんはスケートボードとはどんな繋がりがありますか?
戸枝くんをはじめ、自分の周りの人たちは、「一番好きな物がスケートボード」っていう人であふれていたんです。親しい人たちが本気で好きなことを頑張っている姿をずっと見ていたし、気づいた時にはスケートは自分にとってすごく身近な文化だった。
今回の話がきた時も自分はスケートしないけど、そういう背景があったので引き受けたんです。だからこそ、一番気をつけたのは、いつも滑ってる人たちから見て「これありえないポーズだよね」ってなるのだけは絶対嫌だった。そこは気をつけましたね。
ー スケートカルチャーにインスパイアを受けることはありますか?
自分のまわりには本当にスケート好きな人が多くて、その熱意というか一直線な気持ちを持ち続けていることにすごく影響を受けています。ずっとそういう姿を見てきたからこそ、自分も一直線に「何かをやりたい」と思って、絵を描きはじめたってのいうもあるんです。「この人たちと同じくらい好きなものを持ちたい」と。だから、スケートとはずっと切っても切れない縁があるように思いますね。
ー 最後にFPインソール戸枝義明モデルの感想をお願いします。
戸枝君に興味をもっている人が私の絵を好きになるきっかけになるかもしれないし、私の絵を知ってくれている人がスケートを好きになるきっかけになるかもしれない。そんなふうに今回のコラボ企画によって、誰かが何かを好きになる入口になったり、今まで知らなかったものに対して一足踏み入れるような足がかりになってもらえたら、うれしいです。
藤沢が生んだ名コンビ
海外ブランドからシグネチャーモデルをワールドワイドにリリースするという素晴らしいニュース。ライダーも日本人ならデザイナーも日本人で、さらに同じ同郷のコンビ。2人のコラボレーションは、“藤沢という文化”を世界に発信することにも貢献していて、それをつなげたのは、やはりスケートボード。
はじめは小さなきっかけでも、一直線にやっていればいろんな人と交わって、その直線は輪となりどんどん広がっていく。そして、輪と輪が重なれば、さらに大きな弧を描く。2人のインタビューを聞いていてそんな感じを受けた。これからも、和の国で輪を大事にするスケーターがどんどん増えたらいいなと願う。
写真・文:小嶋勝美
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