漆(うるし)×スケートボード

WOODS 高澤 黎 5周年パート&柿本 英輝インタビュー

2018.07.21

今年5周年を迎える大阪のWOODSスケートショップを特集。

第二弾は、5周年を記念して公開された高澤 黎のパート、そしてWOODSオーナー 彫師の柿本 英輝のインタビューをお届け。

自身が編集を担当したというパートは、1メートルを超える強烈なハイオーリーと、トランジションスキルを武器にWOODSらしいスタイルで構成されている。そして高澤 黎らをサポートしてきた柿本 英輝がショップの成り立ちと、スケートボードのありかたを語る。

 

スポットスケートボーディング

 

5周年を迎えたWOODSですが、始めた経緯は?

 

スケートボード始めて実はまあまあ古くて、30年近くやっててあんまりメジャーな人達とは関わって来なかったんよ。スケートシーンの中にもアンダーグランドな感じの奴らがいっぱいおって。

そんな中にプログレッシブっていうスケボーのチームが昔あってパークとショップをやっていて仲良くしてて、そのプログレッシブが無くなってそこから色々分かれて行ってんけどその中の一人がフゼンナってパーク件ショップを始めて。そのフゼンナってのも無くなって、滑るとこが無くなったから「どうする?」ってなって「ほんなら俺やろか?」みたいな感じで始めてん。

当時は大人のライダーが7人くらい結構おって、レイ(高澤 黎)やタケシ(景山 武士)も今でこそ大人になったけど当時は子供やったからなぁ。

イバって奴とか、ユキヒロ、内 英二、バージョン、大阪のレジェンドスケーターのコヤマってのとかもWOODSのライダーやって、茨木でやってたパークを移転する時に「どうしよう」てなってた時にだんだん大人がフェードアウトしていって、そん時レイとタケシは子供やってんけど本気でスケートボードやっとってだんだん大人になってきて世代交代していって今に至る感じかな。

 

茨木市から高槻市に移転したんですよね?

 

そうそう、茨木(市)やってん。メインは俺、彫り師でその仕事はずっとコッチ(高槻市)で、ずっとやっとったから。

ほんで家が茨木やって、タケシも子供やったし「家の近所でやろっか」てやってたから、わけてやってたんよ最初は。

パークを移転するってなって、高槻の山の中に作ってんけど、それを手伝ってくれたんがレイなんよ。

それ(パーク)も、やめよかって。じゃあ合体さした方が効率的やから、引っ越ししようとか色々混ざっていったのが今って感じやな。

俺自身もあんまりスケートのことばっかりやり過ぎると本業の方に影響が出てくるから。

スケートのことは好きでライフスタイルの一つやし、でも仕事も大事やから効率良くやろうって考えてたら自然とこうなったなぁ。

PLAYのミニランプとかも当時茨木にあってんけど、あれだけやったらスキルも上がらへんし、来る人も限られてたから経験値も上がらへんし、PLAYの大ちゃん(店長)もワァーっとやるタイプじゃないし、あそこは楽しい場所て感じやって、じゃあ違うの作ろかって感じやって。

 

ー自然な流れで今に至ってる印象ですね。

 

いっぱいおった人達がだんだんどっか行っちゃったり、別れたりってのを繰り返してるうちに気が付いたら俺がやるってなってん。

だから、自分の中に無理がないねんな。

なんかこう「やったろー」みたいな感じで始めてへんし、めっちゃ自然体のままやったから何年もやっこれたんかなって俺は思ってるけどね。

有名大手も良いところもあるけど無理がないから、小さいながらも出来る事を自由にやってほしい思ってタケシとレイに接してきてるから。

それぞれ悩みはあるやろうけどこんなちっちゃい大阪の端っこの店の割には頑張ってるんかなって思えるけどね。

俺自身が求め過ぎてないのもあるしな。

 

ー普通はお店を大きくしたり、有名にしたりすることに貪欲なのに不思議ですね。

 

自然体がやっぱ一番やから。もちろんそうやって貪欲にやってる人達の事もリスペクトしてるし、そういう人らにしか出来ひん事もあるしすごいなって思う。

だからってみんなが横並びにならなあかんのかっていうとそれは違うし。

豆腐屋は豆腐屋の、銀行員は銀行員の違う役割がそれぞれあって、それらがあって全てが成り立ってるんちゃうかなてちょっと思うから。

ただ、適当にシーンの事思ってるわけじゃないんよ。

俺が偉そうに言われへんレベルの人らもいっぱいおるし、それもそれで、すごいなって思うし。

自分のためやん。比べたって意味ないよね。

スポットスケートボーディング

 

5年間で最も印象的な出来事や今思う事はありますか?

 

言われへん事も色々あったなー(笑)

思い返すとやたら引越しが多かったってことかな。

パークの引越しとかお店の引越しとか。

あとは、思ってたよりレイとタケシは頑張ってるな。

タケシは子供のころから特別な存在になりえる感じは出してたけど、変わった性格してるしある日突然スケート辞めるわって言いそうな感じはしててんけど(笑)まあ、良くなっていってるよね。

レイはダメなサボりスケーター代表みたいな子供やってんけど、周りに刺激されてなんか扉が開けたみたいな感じで、成長して良くなっていってる。

なんだかんだ楽しくやってるよね。

あと、いろんなシーンの人達が頑張って楽しんでやってるから、それに乗っからしてもらってんねやろなーって思う部分もあるし。

まあ、でも楽しいが一番やな。

うまいだけやったらいっぱいおるし、上手いだけやったら辞めていく人多いし、楽しんでるってのを先にもってきてほしいと思うかな。

あと、続けてほしい。なんでもそうやけど続けへんかったら意味ないねん。やっぱり続けてほしい。

ちょっとキツい言い方やけど、中途半端にちょっとやったからって「俺も昔こんなんやっててん」とか意味ないと思うねん。

いや、お前辞めてるやんって。それが、滑られへんくなっても「好きやからやってんねん」とかそういう風な人になってほしい。

 

ー人を基準にして何かをやってる人って辞めて行く人多いかもしれないですね。

 

そうそうそう、何のためにやってんのやろって思う。

俺がいつもレイに言うんは、誰のためにやってんの?って。

カッコつけたい、自分でありたいってのも全部自分がやりたいからやってんのやろ?って。

自分のためやん。比べたって意味ないよね。

比べんのやったら初めっから君じゃなくて出来てる人を見るからって。

ようおるやん?「自分の滑り方って〇〇みたいやな」て言われて良い気になっても、よう考えてやって。

例えばトニー・トルフィーヨ(VANSのプロスケーター)に似てる滑りしてるやつおるとするやん。

「凄いトニー・トルフィーヨみたいでカッコ良いね」て言うたってそれやったらトニー・トルフィーヨ見ればええやん。

そいつにしか出来ひん事って絶対あるはずやから、それを見たい。

もちろんスケートボードって人から影響されてやるようなもんやから、カッコいいからこいつみたいになりたいって、モノマネする気持ちもわかるし、したら良いと思うよ。

ただ、それもどっかで抜けんとただのモノマネ上手で終わるから。

テレビとかでもモノマネでめっちゃ歌上手いってなってもオリジナルありきで輝いてるだけやから。

意味あんまないやん。

でもその人がモノマネだけでは飽き足らずに「もっと歌手になりたい」て言っちゃうとちょっとそれはちゃうんちゃう?て思う。

人間てどうしても落とし穴にハマりやすいから、そこがめっちゃ重要かなって思うな。

 

ー情報も取り出しやすい世の中やから、モノマネしやすい環境に常にあるかもですね。

 

確かにそうやな。

モノマネ上手は面白いけどな。ただそこから抜けてほしいねん。

モノマネしてもええからそこから何か作ってほしいというか。

そうなったら面白いと思うねんな。

 

ーそういう意味ではレイやタケシをはじめWOODSのライダーは“誰かみたい”は当てはまらないし、自然にそういうイズムを継承しているように感じますね。

 

そうかもな。そうなってほしいってのもあるしな。

こういう話になった時にいつも思うのは、ちょっとネガティブな意見かも知れんけど、誰かが犠牲にならんと次は育てへん気がする。

誰かが前を向いて、一銭の得にもならんかもしれんけどやったとか、やり続けてる姿勢が後を育てるような気がする。

だいたい年いっても、自分が自分がみたいな人が多すぎて後ろの人が出られへん。

そういうのはおもんないよね。

まあ後ろのやつも乗り越えなあかんとも思うけどな。

上手ければ良いとかもええねんけど、残酷やなって思う。

今広がってるやん、オリンピックとかでスケートシーンが。

上手ければ良いとかやったら他のサッカーとか野球とかと同じような感じになってくると思うねん。

ほんなら野球やサッカー見とってもホンマのプロで食っていけるような人ってほとんどおらん、ほとんどがダメになっていく。

なんかスケートボードがそうなっていくんはちょっと心配かな。

今までと全く違うフィールドにスケートボードを持って行っちゃうと泣いていくスケーターが多くなるなと思うと、スケボーっておもろいからやってんのに、なに泣いてんのやろうってなんかかわいそうな気がしてくるな。

まあそれが良いって人はそれでやったら良いと思うけど。

なんか不思議やね。

 

ー元々不良の遊びがスケートボードやったのにいつしか国を背負って戦いますしね。

 

うん。堀米 優斗になれるんやったらなったら良いと思うよ。

でもその陰で泣く人間はいっぱいおるやろうな。

泣いててもスケボー好きやからやりたいねんなぁて思うやつはやり続けてほしいな。

上手さ基準で見て、ダメやったから辞めなあかんとか、引退しますとか。そもそも引退って何やねん(笑)て俺はちょっと思っちゃうかな。

 

ー確かに、プッシュしてたらスケーターやし引退とかは違いますよね。

 

そうやん。何やねんそれって(笑)

引退とかないと思うし、それは後付けで思い込みがそうさせてるのかなって思う。

別にスケートボードに乗ってなくてもスケートボードのことが好きでスケートボードのトラック見て「このトラックめっちゃカッコええやん」言うてたらもうそのマインドはスケートボーダーやからなと俺は思う。

そんなんが大事やと思うで。

もちろん上手くなりたくて人より特別な存在になりたかったらめっちゃ滑れなあかんとは思うで。

でも根本はそこちゃうかな。

スケボーなんか子供の頃の感覚みたいなんを持ったままやるからおもろい

スポットスケートボーディング

 

ーこの5年間でたいへんだったことは?

 

山のパークが300坪くらいあって、それを作るのにレイと二人でやった事かな。

めっちゃしんどかった(笑)

コンクリートでやろうと思ってんけどそのスキルはなかったからやらんかってんけど正解やったかな。

松井(ユウジ)とかの話聞いてたら土建屋の技術やねんけどちょっと特殊みたいで。

土建屋の人は出来るって言うけどやっぱ出来上がってんの見たら全然違うらしくて、その話を聞いとったらやっても意味ないなぁってなって。

まあでもあれは大変やったな。

まだやろう(パーク作りを)とは思ってるけどね。

あの当時、レイは中2か中3やったから全然子供やったし「運べー」言うたら「はーい」て言うて運ぶけど遊んでるみたいな。

最初の方の大人の人達がフェードアウトしていって子供ばっかりなって。

そしたら陰口言うやつとかも出てくるんよな「ああウッズね、子供ばっかりおるところの」みたいな感じの。

そんなん言ってて気持ち良いんか知らんけど俺からしたら、いやいやお前も子供やったやんって思った。

ほんで何やったらスケボーなんか子供の頃の感覚みたいなんを持ったままやるからおもろいもんであって、それを忘れてるやんって。

俺はそのとき言われっぱなしやって「ウッズは上手いけど子供ばっかりやん」て。心ん中では「うるせー」って思ってたけどね(笑)。

ほんなら今どうなってるかっていうと文句言うとったやつが何になったかって言うと何にもなってへん、やけど子供や言うてたレイやタケシはめっちゃ大人になってるし。

まあ人を馬鹿にしたらアカンって。

やから自分を認めて欲しかったら相手を認めなアカンよ。

「子供となんかスケボーやってられへんわ」って言うけど、子供みたいな事やってるやんって(笑)

こけて怪我するねんから普通の大人やったらやらんやろ。危ないねんからやめときって言うやん。

でもそうじゃないんやもん。

しょーもないディスり方とか良くないよな。

まあ言ってる事理解は出来るけど俺はちょっとちゃうかな。大人同士で滑る方が上がるしええけどな。

まあ人それぞれ考えはあるからなぁ。

 

スポットスケートボーディング

 

ー今後の展開、展望はどんな事考えてますか?

 

レイとタケシは子供の頃から十分スケボーやってきて、種植えの時期はもうとっくに終わってるから、出荷の時期やぞって二人には言うてるけど。

今からアホみたいにやってもあんま変わらんからこれからは自分達で開拓して行ってほしい。

全てにおいてどうするか。強制はせぇへんし。

ほんでさっきも言うたけど「子供やから何やねん」て言う部分で考えたらレイとかタケシの下におるヒビキ(サカイ)とかカイセイ(タカハシ)とか何やったらその下にもいっぱいおるしそういう奴らを次のレイやタケシのようにして行く流れ作って押し上げていく。

ショップはレイが思うようにやってくれれば良いし、店舗増やすって言うんならそれに対して頑張ってくれれば良いし。スケートパークは、ゼンタープライズのジャイアンとかと良く話してる時に出るねんけど「やりたいようにやる」「やりたいからやる」てのが基本やから、それを考えたらパークもやりたいからやる、ただそれだけ。

生きた感じが欲しいねん。そんくらいかな。

後は本業は彫り師やから絵かいて楽しくやっていくかな(笑)。

 

【WOODS SKATESHOP】

〒569-0806 大阪府高槻市明田町5-14

TEL :090-6202-6329

https://www.woodsskateshop.com/

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#高澤 黎 / Rei Takazawa

上坊 俊晴

TEXT BY

上坊 俊晴

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