【ストリートリーグ2025パリ】上村葵が初優勝!織田夢海と白井空良が3位 男子はヴィンセント・ミルーが初優勝

2025.10.15

 

この投稿をInstagramで見る

 

Street League Skateboarding(@sls)がシェアした投稿

 

10月11日にフランス、パリに位置する全仏オープンテニスの聖地ローラン・ギャロスで世界最高峰のスケートボードコンテスト、ストリートリーグ(Street League Skateboarding以下SLS)が開催され、上村葵(16歳)がSLS初優勝。女子日本勢によるアリーナ大会優勝は2019年1月に開催されたスーパークラウンでの西村碧莉以来の快挙となる(SLS APEXを含めると織田夢海が2024年8月に優勝)。

2位はオーストラリアのクロエ・コベル(15歳)、3位に織田夢海(18歳)が表彰台入り。日本勢は他にも吉沢恋(16歳)が4位、中山楓奈(20歳)が6位の成績を上げた。

男子は母国開催となったフランスのヴィンセント・ミルー(28歳)がSLS初優勝。2位はブラジルのジオバンニ・ビアンナ(24歳)、3位に白井空良(23歳)が表彰台に上がった。日本勢は他に堀米雄斗(26歳)が決勝6位、根附海龍(22歳)はノックアウトラウンド(予選)敗退となった。

SLSは人気、実力ともに世界中から厳選されたトップスケーターのみが招待を受けて出場することができる、世界最高峰の大会。年間通して行われる各大会でポイントを獲得し、ポイントランキングの上位者は最終戦となるスーパークラウンへの出場権を手にすることができる。

SLS2025パリ大会の映像(決勝から有料会員のみ)
rumble動画(https://rumble.com/v6zbgks-sls-paris-2025-october-11-2025.html)

 

【SLS2025のルールと今後の予定】

 

 

この投稿をInstagramで見る

 

Street League Skateboarding(@sls)がシェアした投稿

 

●SLSは45秒間自由にコース内を滑走するライン(五輪で言うところのラン)を2本と、コース内の自由な場所で1発技を行うシングルトリック(五輪で言うところのベストトリック)5本行い、最終的にラインとシングルトリック上位4本の合計得点で、順位が争われる(1トライにつき10点満点で採点)。
※ ラインのスコアは最大でも1つのみのカウントとなり、オリンピックのように必ずカウントされるわけではないため(五輪はラン3本中、必ず1本が合計得点にカウントされる)ラインをミスしてもシングルトリックで逆転が可能。
※ 9点台の得点はナインクラブと呼ばれ賞賛される。

●判定は「達成度」「難易度」「多様性」「独自性とスタイル」これらの要素を基準とした総合的な判断により行われ、5人の審査員が10点満点方式で採点。
1トライに対して、最高点と最低点を除いた3つの得点の平均点が算出される。

●男子は20人の選手が5人ずつ4つのグループに分かれて、予選となるノックアウトラウンドを行い、各グループの勝者とグループ勝者を除いた全体のトップと2位(セカンドチャンス)が決勝に進出する(合計6人)。

女子は10人の選手が5人ずつ2つのグループに分かれて予選を行い、各グループ上位3人が決勝に進出する(合計6人)。

●アリーナ大会ポイントの男子上位12人と女子上位6人、テイクオーバー大会ポイントの男子上位8人と女子上位4人には、スーパークラウンへの出場権が与えられる。
両方の大会で出場権を得ているスケーターがいる場合は、次にテイクオーバー大会の順位が高いスケーターに出場権が繰り越される。

●今後はシングルトリックのみで順位を競う、テイクオーバーイベントが10月25日にラスベガスで開催予定。
その後、アリーナ大会とテイクオーバー大会のポイント上位者が出場できるスーパークラウンが、12月6日から7日にブラジルのサンパウロで予定されており、ここでSLS年間王者が決まる。
※10月11日時点

 

【女王まさかの大乱調/女子ノックアウトラウンド】

 

 

この投稿をInstagramで見る

 

Street League Skateboarding(@sls)がシェアした投稿

 

女子のノックアウトラウンド。
第1グループに日本から吉沢恋、織田夢海が出場。

他には、先日自身初のプロモデルデッキをリリースしたオランダのロース・ズウェツロート、アメリカのペイジ・ハイン、優勝候補となるオーストラリアのクロエ・コベルが出場。

吉沢はラインセクションでミスが目立ち、決勝進出に向けてヒヤっとする場面があったが、シングルトリック最後にバンプtoギャップ越えのバックサイドリップスライドで8.0点を獲得し、織田と共に決勝進出を決める。
トップ通過はクロエ・コベルで、ラインセクションから一度も首位の座を譲ることなく、2位に6.8点差をつけての通過となった。

 

 

この投稿をInstagramで見る

 

Street League Skateboarding(@sls)がシェアした投稿

 

第2グループには、日本から上村葵、中山楓奈が出場。
他にはオランダのケート・オルデンベービング、ケガで欠場の西矢椛に変わって出場となるアメリカのシークレット・リン、SLS女子最多優勝回数を誇るブラジルのライッサ・レアウが出場。

ラインではライッサが7.9点という高得点を獲得したが、シングルトリックで4本続けてミスする大乱調。

上村がメインのギャップtoレールでフロントサイドとバックサイドのリップスライドを決めるなど好調の滑りで2位に8.7点差をつけて首位通過。
安定した滑りを見せたケート・オルデンベービングが2位通過。
中山が3位で決勝進出を決めた。

ライッサ・レアウがまさかの予選敗退を喫する波乱の展開となったが、最終的にクロエ・コベル、吉沢恋、織田夢海、上村葵、ケート・オルデンベービング、中山楓奈が決勝進出を決めた。

 

【注目の堀米が出場/男子ノックアウトラウンド】

 

 

この投稿をInstagramで見る

 

Street League Skateboarding(@sls)がシェアした投稿

 

男子のノックアウトラウンド。第1グループに大注目の堀米雄斗が登場。

他にはアメリカのザイオン・ライト、今大会最年長出場のライアン・デセンゾ(39歳)とコルダノ・ラッセルのカナダ勢、ブラジルのケルビン・ホフラーが出場。

堀米のライン1本目、中央のギャップtoレールをスイッチフロントサイドリップスライドで攻略すると、ビッグスピンボードスライドやスイッチフロントサイドフィーブルグラインド、ユーロギャップでノーリーフロントサイド180ヒールフリップなどを決めると、最後はバンプtoレッジでノーリーバックサイド270ノーズスライドを決めるフルメイク(ノーミスで滑りきること)。
この日最初のナインクラブとなる9.1点を叩き出す。

シングルトリック2本目では、ギャップtoレールでノーリーフロントサイド270ボードスライド(9.3点)。
3本目にハンドレールで、ノーリーバックサイド180スイッチフィーブルグラインド(9.0点)を決める。
シングルトリックセクションでは3本揃えることはできなかったが、他の選手もミスが続き、合計27.4点でこのグループ首位通過を決めた。

 

 

この投稿をInstagramで見る

 

Street League Skateboarding(@sls)がシェアした投稿

 

第2グループはアメリカのダショーン・ジョーダン、シェーン・オニール欠場による急遽参戦となったフランスのローレンス・ラベイル、同じくフランスのヴィンセント・ミルー、コロンビアのジャンカルロス・ゴンザレス、ブラジルのフェリペ・グスタボが出場。

このグループは現地のファンから大歓声を受けるフランスのヴィンセント・ミルーが2位に11.1点差をつけ(34.9点)堂々の首位で決勝進出。

ここで小話を一つ。
このグループFODで日本語解説を務めた瀬尻稜さんが、パリオリンピックの解説後に現地で、同じチームメイト(Element)であるヴィンセント・ミルーとバーでコーヒーを飲もうとしていたところ、ひょんな形で今大会リザーバー出場のローレンス・ラベイルと知り合い、一緒にバーでトランプをして遊んだという。
それから約1年後のSLSパリ大会。
トランプ仲間と画面越しにこんな形で再会するなんて、スケーターらしいなんともラフで面白いエピソードだった。

 

 

この投稿をInstagramで見る

 

Street League Skateboarding(@sls)がシェアした投稿

 

第3グループには、日本の根附海龍が出場。
他には昨年のSLSパリ大会優勝者となるフランスのオーレリアン・ジロー、アメリカのライアン・シェクラー、ブラジルのジオバンニ・ビアンナ、ポルトガルのグスタボ・リベイロが出場。

根附はライン、シングルトリック共に精彩を欠く滑りで高得点を揃えることができず残念ながら予選敗退。
オーレリアン・ジローもラインでフルメイクを見せるが、得点があまり伸びず(8.3点)、シングルトリックも4本続けて外してしまい予選敗退。
このグループを制したのは、5月のマイアミ大会で準優勝を飾ったグスタボ・リベイロとなった。

 

 

この投稿をInstagramで見る

 

Street League Skateboarding(@sls)がシェアした投稿

 

第4グループに日本の白井空良が登場。

他には最大のライバルとなる、SLS最多優勝者アメリカのナイジャ・ヒューストン。
同じくアメリカのブレイデン・ホーバン、ブラジル勢のフィリペ・モタ、カルロス・リベイロが出場。

ナイジャに差をつけたい白井のライン1本目は見事フルメイクの滑りで8.7点。
しかしその直後、ナイジャもフルメイクの滑りを見せ、8.9点で白井のさらに上をいく。

白井はシングルトリック2本目に、ギャップtoレールでフロントサイド180スイッチKグラインドを決め8.3点。
4本目に同セクションで、バックサイドシュガーケーングラインドを決め8.8点。
5本目を滑る前にセカンドチャンスでの決勝進出を決める。
最後はダウンレールでノーリービッグスピン バックサイドテールスライドを決め8.3点(合計34.1点)

ナイジャは2本目にギャップtoレールで、ノーリーバックサイドノーズブラントスライドを決めて9.0点。
3本目に同セクションで、キックフリップ バックサイドリップスライドを決めて8.0点。
4本目にも同セクションで、キャバレリアルリップスライドを決めて8.5点を獲得。
合計34.4点で、このグループはナイジャが首位で決勝進出を決める。

最終的に男子の決勝進出者は…。
堀米雄斗、ヴィンセント・ミルー、グスタボ・リベイロ、ナイジャ・ヒューストンが各グループトップで決勝に進出。
セカンドチャンスで、白井空良とジオバンニ・ビアンナが決勝進出を決めた。

 

【上村が歓喜の初優勝/女子決勝】

 

 

この投稿をInstagramで見る

 

Street League Skateboarding(@sls)がシェアした投稿

 

女子決勝は、中山楓奈、織田夢海、上村葵、吉沢恋の日本勢4人と、ケート・オルデンベービング、クロエ・コベルで争われた。SLSは昨年行われたスポットイベントのAPEXシリーズで織田が優勝したのを除くと、2022年からは、ライッサかクロエしか優勝していない。

※女子は2018年度のスーパークラウン(開催は2019年1月)で西村碧莉が優勝して以来、APEXシリーズを除いてこの時点で日本勢は優勝者はいない。

 

 

この投稿をInstagramで見る

 

Street League Skateboarding(@sls)がシェアした投稿

 

【ライン1本目】
第1滑走者の中山。
ファーストトリックのフロントサイドフィーブルグラインドをミスしてしまい、0.8点。

第2滑走者の織田。
ハンドレールでフロントサイドフィーブルグラインド、バンプtoバンプでオーリー、レールでバックサイドKグラインド、レッジでフロントサイドKグラインド、ユーロギャップでキックフリップ、レッジでキックフリップ バックサイド50-50グラインド、クォーターでフロントサイドオーリー、ユーロギャップでフロントサイド180をフルメイク。
得意のキックフリップを中心にまずは安定の滑りを見せて5.8点を獲得。

第3滑走者のケート・オルデンベービング。
ハンドレールでバックサイドノーズスライド、ピラミッドでバックサイド360、ユーロギャップでフェイキービッグスピン、レッジでバックサイドKグラインド、レールでバックサイドボードスライド 270ショービットアウト、レッジでハーフキャブノーズスライド、クォーターでバックサイドビッグスピンをフルメイク。
ケート得意のフェイキーからのトリックを見せて5.2点を獲得。

第4滑走者の吉沢。
ハンドレールでビッグスピンフロントサイドボードスライドをいきなり見せるが、そのあとのバックサイドスミスグラインドをミスしてしまう。
しかしその後は立て直し、フロントサイドブラントスライドのバンクイン、ユーロギャップでキックフリップ、レッジでバックサイドテールスライド、ユーロギャップで360キックフリップを決める。
バックスミスのミスがあったが4.1点を獲得。

第5滑走者の上村。
笑顔でコースインすると、バンプtoバンプを綺麗なバックサイド180、レールでフロントサイドフィーブルグラインド、レッジでフロントサイドテールスライド、ユーロギャップをハーフキャブヒールフリップ、最後は中央のギャップtoレールでフロントサイドリップスライドを狙ったが着地で失敗(3.2点)。

最終滑走者のクロエ・コベル。
バンプtoバンプでキックフリップ、レールでバックサイドスミスグラインド、レールでフロントサイドフィーブルグラインド、ユーロギャップでノーリーキックフリップ、クォーターでフロントサイドキックフリップ、レッジでバックサイドテールスライド、ユーロギャップでスイッチキックフリップ、ハンドレールをフロントサイド50-50グラインドでフルメイク。
難易度の高い技を詰め込んださすがの滑りを見せ、7.7点を獲得し首位でラインセクションを折り返す。

 

【ライン2本目】
第1滑走者の中山。
レッジでフロントサイドKグラインドをメイクするが、1本目と同じフロントフィーブルをミス。
その後はレールでフロントサイドブラントスライド、ユーロギャップでバックサイドヒールフリップ、レッジでバックサイドスミスグラインドを決め2.2点。

第2滑走者の織田。
ハンドレールでフロントサイドフィーブルグラインド、バンプtoバンプでキックフリップを決めるが、レールのバックサイドKグラインドをミスしてしまい1本目の得点を伸ばせず(1.1点)。

第3滑走者のケート・オルデンベービング。
ハンドレールでバックサイドノーズスライド、ピラミッドでバックサイド360、ユーロギャップでフェイキービッグスピン、レッジでバックサイドKグラインド、レールでバックサイドボードスライド 270ショービットアウト、レッジでハーフキャブノーズスライド 270アウトを決めてフルメイク。5.5点を獲得しスコアを伸ばす。

第4滑走者の吉沢。
ハンドレールでビッグスピンフロントサイドボードスライド、バンプtoバンプでオーリー、1本目でミスのあったレールでのバックサイドスミスをしっかり決める。
フロントサイドブラントスライドのバンクイン、ユーロギャップでキックフリップを決めるが、レッジでバックサイドノーズスライド270ショービットアウトをミスしてしまう(3.9点)。

第5滑走者の上村。
バンプtoバンプをバックサイド180、レールでフロントサイドフィーブルグラインド、レッジでフロントサイドテールスライド、ユーロギャップでハーフキャブヒールフリップを決めるが、1本目同様ギャップtoレールでフロントサイドリップスライドを失敗(3.2点)。

最終滑走者のクロエ・コベル。
バンプtoバンプでキックフリップ、レールでバックサイドスミスグラインド、レールでフロントサイドフィーブルグラインド、ユーロギャップでノーリーキックフリップ、クォーターでフロントサイドキックフリップ、レッジでバックサイドテールスライド ショービットアウト、ユーロギャップでスイッチフロントサイド180キックフリップ、ハンドレールでフロントサイド50-50グラインドを決めるフルメイク。
1本目より難易度を上げた滑りで8.0点を獲得し、2位に2.2点をつける。

ラインセクション終了時点で、首位はクロエ(8.0点)、2位に織田(5.8点)、3位がケート(5.5点)、4位が吉沢(4.1点)、5位が上村(3.2点)、6位中山(2.2点)の順でシングルトリックへ進む。

 

 

この投稿をInstagramで見る

 

Street League Skateboarding(@sls)がシェアした投稿

 

【シングルトリック1本目】
※()内は合計得点
ここで滑走順が変わり、ラインセクションで順位が低かった選手からとなる。

中山、レッジでフロントサイドテールスライド ビッグスピンアウトを狙うがミス(2.2)。
上村、ギャップtoレールでバックサイドリップスライドを決め8.0点(11.2)。
吉沢、ギャップtoレールでバックサイドリップスライドを決め8.0点(12.1)。
ケート、レッジでハーフキャブKグラインドをミス(5.5)。
織田、レッジでキックフリップバックサイド5-0グラインドを決め7.1点(12.9)。
クロエ、ギャップtoレールでフロントサイド50-50グラインドを決め7.3点(15.3)。
暫定首位はクロエのまま2本目に進む。

【シングルトリック2本目】
中山、レッジで再びフロントサイドテールからのビッグスピンアウトを狙うがミス(2.2)。
上村、ギャップtoレールでフロントサイドリップスライドを決め7.0点(18.2)。
吉沢、ギャップtoレールでバックサイドスミスグラインドをミス(12.1)。
ケート、レッジでハーフキャブKグラインドを決め5.2点(10.7)。
織田、レッジでバックサイドKグラインドからノーリーキックフリップアウトを狙うが失敗(12.9)。
クロエ、ギャップtoレールでフロントサイド50-50グラインドtoフロントサイドボードスライドを狙ったがミス(15.3)。
ここで2本ともしっかりメイクし、得点を重ねた上村が首位で3本目に進む。

【シングルトリック3本目】
中山、レッジで再びフロントサイドテールからのビッグスピンアウトを狙うが着地でミス(2.2)。
上村、ギャップtoレールでバックサイドスミスグラインドを決め8.5点(26.7)。
吉沢、再びギャップtoレールでバックサイドスミスを狙うがミス(12.1)。
ケート、ハンドレールでハーフキャブノーズスライドを決め4.1点(14.8)。
織田、レッジでバックサイドKグラインド ノーリーキックフリップアウトを決め8.2点(21.1)を獲得し暫定2位に。
暫定3位のクロエ、ギャップtoレールでフロントサイド50-50グラインド バックサイド180アウトを決め7.0点(22.3)暫定2位に。
1本目にフロントサイド50-50グラインドで7.3点を獲得しているにも関わらず、バックサイド180アウトの方が得点が低くなっているのは、同系列のトリックに対する厳しいジャッジの表れか。

【シングルトリック4本目】
暫定6位の中山、レッジで再びフロントサイドテールからのビッグスピンアウトを狙うがここもミス(2.2)。
暫定首位の上村、レッジでベネットグラインドを決め6.3点(29.8)。
ここで得点4本揃え、ラインセクションでのミスを挽回する。
暫定5位の吉沢、ギャップtoレールでバックサイドスミスを決め8.5点(20.6)。
暫定5位のケート、レッジでフェイキービッグスピンノーズスライドを狙うがミス(14.8)。
暫定3位の織田、ギャップ全越えのキックフリップを狙うがミス(21.1)。
暫定2位のクロエ、ギャップtoレールでフロントサイドフィーブルグラインドを狙うがミス(22.3)。
この時点で上村が首位!優勝も見えてきた所でラストトリックへ。

【シングルトリック5本目】
※ここで滑走順が変わり、順位が低い選手からとなる。

暫定6位の中山、最後に意地を見せるフロントサイドテールスライド ビッグスピンアウトを決め6.5点(8.7)。
暫定5位のケート、レッジで再びフェイキービッグスピンノーズスライドを狙うがミス(14.8)。
暫定4位の吉沢、ハンドレールでビッグスピンフロントサイドボードスライド ショービットアウトを狙うがミス(20.6)。
暫定3位の織田、首位に立つには8.8点が必要な場面で、再びギャップ全越えのキックフリップを狙うがミス(21.1)。
暫定2位のクロエ、優勝には7.6点が必要な場面。再びギャップtoレールでフロントサイドフィーブルグラインドを狙うがミス(22.3)。
この時点で上村が大快挙となる自身初のSLS優勝が確定、ライッサ&クロエによる最強の2人をついに日本勢が破った歴史的な日となった。

上村、涙のウイニングランとなるベネットグラインドは嬉しさのあまりミスに終わったが、SLSパリ大会最高の締めくくりを見せた。

 

【母国開催の意地を見せたヴィンセント/男子決勝】

 

 

この投稿をInstagramで見る

 

Street League Skateboarding(@sls)がシェアした投稿

 

男子決勝はジオバンニ・ビアンナ、白井空良、堀米雄斗、ナイジャ・ヒューストン、グスタボ・リベイロ、ヴィンセント・ミルーで争われた。

【ライン1本目】
第1滑走者のジオバンニ。
キンクレールでフロントサイドリップスライド、レッジでキャバレリアルフロントサイドノーズスライド、レールでバックサイドスミスグラインド、レールでヒールフリップフロントサイドボードスライド、ハンドレールでフェイキーフロントサイド5-0グラインド、レールでバックサイドブラントスライド、最後はギャップtoレールでフロントサイドノーズブラントスライドを決めるフルメイクの滑りを見せ、8.3点を獲得。

第2滑走者の白井。
キンクレールでバックサイドスミスグラインド、レッジでアーリーウープからのバックサイド180フェイキー5-0グラインド、バンプtoバンプで360キックフリップ、レールでバックサイドテールスライド270ショービットアウト、ハンドレールでキャバレリアル バックサイドリップスライド、クォーターでフロントサイドブラント、ユーロギャップでバックサイドキックフリップ、最後にギャップtoレールでフロントサイド180スイッチKグラインドを決めてサムライポーズ。得点9.2点を獲得する。

第3滑走者の堀米。
ギャップtoレールでスイッチフロントサイドテールスライド、クォーターでバックサイドスミスグラインド、バンプtoバンプで360キックフリップを決めるが、レールでビッグスピンフロントサイドボードスライドを痛恨のミス(3.0点)。
この場面、スローで映像を見ると左足首を完全に捻ってしまい、捻挫しているのがうかがえた。

第4滑走者のナイジャ。
ファーストトリックでギャップtoレールを狙うが、珍しくいきなりのミス(0.4点)。

第5滑走者のグスタボ・リベイロ。
レールでフロントサイドフィーブルグラインド、レールでバックサイドテールスライド、ハンドレールでビガースピンフリップ フロントサイドボードスライド、ユーロギャップで360キックフリップ、レッジでアーリーウープのフロントサイド180フェイキー50-50グラインド、ユーロギャップでキックフリップ、最後はキンクレールでバックサイドKグラインドからノーリーキックフリップアウトを決めるフルメイク。
9.0点を獲得し、白井に次いで暫定2位に。

 

 

この投稿をInstagramで見る

 

Street League Skateboarding(@sls)がシェアした投稿

 

最終滑走者のヴィンセント。
ギャップtoレールでフロントサイドノーズブラントスライド、クォーターパイプでフロントサイドノーズグラインド、バンプtoバンプでストレートのノーコンプライ、レールでバックサイドテールスライド、バンクでフロントサイドヒールフリップ、フロントサイドキックフリップのバンクイン、クォーターパイプでフェイキーフロントサイド5-0グラインド フェイキーアウト、ユーロギャップでフェイキーキックフリップ、最後はギャップtoレールでキックフリップフロントサイドリップスライドを決めてフルメイク。
9.3点を獲得し、白井を抜いて暫定首位に。

 

【ライン2本目】
第1滑走者のジオバンニ。
序盤でミスがあり得点を伸ばせず。

第2滑走者の白井。
キンクレールでバックサイドスミスグラインド、レッジでアーリーウープからのバックサイド180フェイキー5-0グラインド、バンプtoバンプでハードフリップ、レールでバックサイドテールスライド270ショービットアウト、ハンドレールでキャバレリアル バックサイドテールスライド、ユーロギャップでバックサイドキックフリップ、最後にギャップtoレールでフロントサイド180スイッチKグラインドを決めて軽めのサムライポーズ。9.4点を獲得し、ヴィンセントを抜いて首位に。

第3滑走者の堀米。
1本目の捻挫が響いてしまっているのか、ファーストトリックで失敗してしまい0.2点。

第4滑走者のナイジャ。
1本目にミスのあったギャップtoレールでのキックフリップバックサイドリップスライドをしっかり決めると、レールでバックサイドスミスグラインド、ユーロギャップでバックサイドビッグスピン、キンクレールでバックサイドKグラインド、レッジでフロントサイド180ノーズグラインド、バンプtoバンプでスイッチフロントサイドキックフリップ、レールでフロントサイドブラントスライド、最後はギャップtoレールでバックサイドノーズブラントスライドをフルメイク。
9.2点を獲得して暫定3位に。

第5滑走者のグスタボ。
レールでフロントサイドフィーブルグラインド、レールでバックサイドテールスライド、ハンドレールでビガースピンフリップ フロントサイドボードスライド、ユーロギャップで360キックフリップ、レッジで360キックフリップ50-50グラインド(ノーズ側のトラックが外れるも着地までメイク)、ユーロギャップでキックフリップ、最後はキンクレールでバックサイドKグラインドからノーリーキックフリップアウトを決めるフルメイク。
9.1点を獲得し暫定4位に。

最終滑走者のヴィンセント。
ギャップtoレールでフロントサイドノーズブラントスライド、クォーターパイプでフロントサイドノーズグラインド、バンプtoバンプでストレートのノーコンプライ、レールでバックサイドテールスライド、バンクでフロントサイドヒールフリップ、フロントサイドキックフリップのバンクイン、クォーターパイプでフェイキーフロントサイド5-0グラインド フェイキーアウト、ユーロギャップでフェイキーキックフリップを決めるが、この後のギャップtoレールでキックフリップフロントサイドリップスライドを失敗。

この時点で白井が9.4点の首位、ヴィンセントが9.3点、ナイジャが9.2点、グスタボ・リベイロが9.1点、ジオバンニ8.3点、堀米3.0点。
上位4人が0.1点差のナインクラブというハイレベルな展開でシングルトリックに進む。

 

 

この投稿をInstagramで見る

 

Street League Skateboarding(@sls)がシェアした投稿

 

【シングルトリック1本目】
※()内は合計得点
ここで滑走順が変わり、ラインセクションで順位が低かった選手からとなる。

堀米、ギャップtoレールでノーリーフロントサイド270ボードスライドを狙うが失敗してしまい、厳しい展開に(3.0)。
ジオバンニ、ハンドレールでキャバレリアルフロントサイドブラントスライドをミス(8.3)。
グスタボ、ハンドレールで360キックフリップ フロントサイドノーズブラントスライドを決め8.7点を獲得(17.8)。
ナイジャ、ギャップtoレールでノーリーバックサイドノーズブラントスライドを決め9.0点(18.2)。
ヴィンセント、ギャップtoレールでキックフリップフロントサイドテールスライドを決めるが、着地で手をついてしまい8.6点(17.9)。
白井、ギャップtoレールでバックサイドシュガーケーングラインドを決め8.8点(18.2)。合計得点でナイジャと並ぶ。

【シングルトリック2本目】
堀米、ギャップtoレールでノーリーフロントサイド270ボードスライドを狙うが、ここも失敗(3.0)。
ジオバンニ、ハンドレールでキャバレリアルフロントサイドブラントスライド フェイキーアウトを決め8.6点(16.9)。
グスタボ、キンクレールでフロントサイドノーズグラインドからノーリーフリップアウトを狙ったがミス(17.8)。
ナイジャ、ギャップ全越えのスイッチフロントサイドキックフリップを狙ったがミス(18.2)。
ヴィンセント、ギャップtoレールでスイッチフロントサイドノーズブラントスライドを決めて9.0点を獲得し暫定首位に(26.9)。
白井、ハンドレールでノーリービッグスピンバックテールからのトリックを狙うがミス(18.2)。

【シングルトリック3本目】
暫定6位の堀米、トリックを変えてギャップtoレールでノーリーバックサイド270ボードスライドを狙うが失敗(3.0)。
暫定5位のジオバンニ、ハンドレールでフロントサイドハーフキャブ バックサイド5-0グラインドを狙うが失敗(16.9)。
暫定4位のグスタボ、キンクレールでフロントサイドノーズグラインドからノーリーフリップアウトを狙ったが着地でミス(17.8)。
暫定3位のナイジャ、再びギャップ全越えのスイッチフロントサイドキックフリップを狙ったがミス(18.2)。
※この時点で白井と得点は同じだが、白井の方がラインセクションでの得点が上のため順位が変わる。
暫定首位のヴィンセント、ギャップtoレールでキックフリップフロントサイドノーズブラントスライドを着地まで持っていくが、両手をがっつり地面についてしまっているのでミス判定(26.9)。
暫定2位の白井、再びハンドレールでノーリービッグスピンバックテールからのトリックを狙うがミス(18.2)。

【シングルトリック4本目】
暫定6位の堀米、トリックを変えてレッジでノーリーバックサイド270ヒールフリップノーズスライドを狙うが失敗(3.0)。
暫定5位のジオバンニ、ハンドレールでフロントサイドハーフキャブ バックサイド5-0グラインドを決め8.8点を獲得し暫定2位に(16.9)。
暫定5位のグスタボ、再びキンクレールでフロントサイドノーズグラインドからノーリーフリップアウトを狙うがミス(17.8)。
暫定4位のナイジャ、再びギャップ全越えのスイッチフロントサイドキックフリップで意地のメイクを見せて9.0点を獲得し、暫定首位に立つ(27.2)。
暫定2位のヴィンセント、再びギャップtoレールでキックフリップフロントサイドノーズブラントスライドを狙ったが失敗(26.9)。
暫定4位の白井、ハンドレールでノーリービッグスピンバックサイドテールスライド ビッグスピンアウトを決め9.4点(27.6)を獲得、ここで一気に首位に立つ。

【シングルトリック5本目】
※ここで滑走順が変わり、順位が一番低い選手からとなる。

暫定6位の堀米、ギャップtoレッジでノーリーフロントサイド270からのトリックを狙ったが、最後も残念ながら失敗に終わる(3.0)。
暫定5位のグスタボ、ハンドレールで360キックフリップノーズブラントスライド 270ショービットアウトを狙ったが失敗(17.8)。
暫定4位のジオバンニ、首位に立つには2.0点が必要な場面。
ハンドレールでキャバレリアル フェイキーバックサイドノーズグラインドを決め9.1点を獲得し暫定首位に(34.8)。
暫定4位のヴィンセント、首位に立つには8.0点が必要な場面。
ギャップtoレールでキックフリップフロントサイドノーズブラントスライド フェイキーアウトを完璧にメイクし9.2点を獲得して、暫定首位に(36.1)。

ここで興奮しすぎたフランスのファン達が、コース内に飲料の入ったコップを投げ入れすぎて、コース内を整備する時間が生まれてしまう。

約5分ほどコース整備に時間がかかり、暫定4位のナイジャから競技再開。
ナイジャがトップに立つには9.0点が必要な場面。
ギャップ全越えのスイッチフロントサイドヒールフリップでナインクラブを狙ったが失敗に終わる(27.2)。
ここで3位以上が確定の白井、トップに立つには8.6点が必要な場面。
ハンドレールでキャバレリアルシュガーケーングラインドを狙ったが、残念ながらミス(27.6)。

 

 

この投稿をInstagramで見る

 

Street League Skateboarding(@sls)がシェアした投稿

 

最終的にはファンの声援を受け、これまでにない最高の滑りを見せたフランスのヴィンセント・ミルーが自国開催を制した。
最後の5本目、それまで集中力を高めていたであろうナイジャと白井に5分間の休止時間はラストトリックに何か影響があったかもしれない。
予選では調子の良かった堀米が決勝1本目のラインで足首を捻っていなければ、もしかしたら結果は変わっていたかもしれない。
女子の上村葵SLS初制覇も含めて、いろいろなドラマが入り混じったSLS2025パリ大会だった。

 

【SLSパリ放送後記】

 

FODプレミアム日本語解説映像はこちらから
https://fod.fujitv.co.jp/title/7157/7157110002/

前回のアリーナ大会(5月のマイアミ大会)に続き、今回もわたくし僭越ながらフジテレビの動画配信サービスFODにて進行・実況を仰せつかりまして、ドキドキの生配信で予選から決勝までお送りさせていただきました。

解説は前回に引き続き、瀬尻稜、池慧野巨に加えスケートボードMCの最前線で活躍する
ジマ君(宮島大介)にも協力いただき、貴重な経験をさせていただきました。

今大会、男女とも全く予想がつかない展開に4人とも驚きの連続。
女子の上村選手の涙には4人とも見ていて嬉しすぎる気持ちが上手く言葉にならず。
会場を揺るがすほどの熱気と、ビールのコップでヴィンセント・ミルーを応援するフランスのファンに圧倒され、最後は実況解説陣の4人全員が大感動。

ありきたりな表現にはなりますが、SLSは筋書きのないドラマと感動が見られる舞台だと改めて感じると同時に、スケートボードが持っている素晴らしい一面をもっと多くの人に知ってもらいたいと強く感じる濃密な時間でした。

10月20日(月曜)の深夜25時45分から、地上波(フジテレビ)でも決勝の総集編が放送される予定(関東ローカル)ということなので、この感動を再び一緒に見てもらえたら幸いです。

 

【SLS2025パリ女子リザルト】

 

 

この投稿をInstagramで見る

 

Street League Skateboarding(@sls)がシェアした投稿

 

1位 上村 葵(日本)–29.8
2位 クロエ・コベル(オーストラリア)–22.3
3位 織田 夢海(日本)–21.1
4位 吉沢 恋(日本)–20.6
5位 ケート・オルデンベービング(オランダ)-14.8
6位 中山 楓奈(日本)–8.7

 

【SLS2025パリ男子リザルト】

 

 

この投稿をInstagramで見る

 

Street League Skateboarding(@sls)がシェアした投稿

 

1位 ヴィンセント・ミルー(フランス)–36.1
2位 ジオバンニ・ビアンナ(ブラジル)–34.8
3位 白井 空良(日本)–27.6
4位 ナイジャ・ヒューストン(アメリカ)–27.2
5位 グスタボ・リベイロ(ポルトガル)–17.8
6位 堀米 雄斗(日本)-3.0

文 小嶋勝美
スケートボード放送作家のスケーター

関連記事