【JAPAN STREET LEAGUE第3戦-NEW THRUST–】驚異的な集中力を誇った濱村大征が念願の初優勝〜最終戦に向けて現在のランキングも発表〜
2022.09.19
日本最高峰のスケートボードコンテストJAPAN STREET LEAGUE(ジャパンストリートリーグ、以下JSL)第3戦-NEW THRUST–が、愛知県蒲郡市にあるDELIC skateparkで行われ、濱村大征(たいせい)が初優勝を飾った。
2位は圧倒的なオリジナルトリックを見せた根附海龍(ねつけかいり)、3位には成長著しい最年少13歳、藪下桃平(ももへい)。特別賞は予選で会場を沸かせた最年長の37歳、玉野辰磨が受賞した。
最終戦は12月4日に埼玉県所沢市のSKIP FACTORYで行われる予定で、フジテレビが運営する動画配信サービスFODにて配信される。
※当初の11月27日から12月4日に日程変更(9月19日時点)
【JSLのルールは?】
JSLのルールはWORLD SKATEが2024年パリオリンピックに向けて発表した、公式採点フォーマットと同様となる。
・コース内を自由に滑走するランを2本と1発技のシングルトリック(ベストトリック)を5本行い、3つのトップスコアで順位を競う。
・この内、ランのベストスコア1本とシングルトリックのベストスコア2本の合計が得点となり、それぞれ100点満点で、小数点以下2点まで(最高得点は300.00点)
同点選手がいた場合はランの最高得点で順位を決定し、それでも決着がつかない場合は、シングルトリックの最高得点をもって決着となる。
・選手は、より完成度の高いトリックのメイクを目指したい場合は、メイクしたトリックを破棄する権利がある(シングルトリックで同じトリックを行うと必然と得点が下がる為)
以上のルールに加え、JSLに出場出来るのは招待選手のみとなり、長年スケートボードシーンに携わり、多くの大会を運営してきたプロスケーター、立本和樹氏を始めとする主催者側が出場するスケーターを選出している。
【-NEW THRUST–出場スケーター】
今回出場したスケーターは以下の通り。
村上涼夏(16)/山附明夢(17)/根附海龍(19)/齋藤丈太郎(16)/玉野辰磨(37)/藪下桃平(13)安部来夢(15)/中野虎大郎(18)/佐々木来夢(18)/濱村大征(15)/浦野建隼(19)/小鈴祥大(17)/佐々木音憧(15)
※()内は年齢。
【今後の大きな一歩となる初優勝/濱村大征】
濱村大征/バックサイドK(クルックド)グラインド ノーリーフリップアウト
前回大会では並み居る強豪の中、2位に入賞した濱村は、今大会でも驚異的な集中力を見せる。
ベストトリック2本目では、会場となったDelicスケートパークの一番大きなハンドレールで、Kグラインドからノーリーフリップアウトという、この大きさのハンドレールで行うには卓越した繊細さとスキルを必要とされる技を決め、92.27点をマーク。集中力の高さを見せた。
濱村大征/キックフリップフロントサイドボードスライド
ベストトリック4本目では、かなり距離のあるバンクtoバンクを使ってキックフリップフロントサイドボードスライドを決め93.00点を獲得し、念願の初優勝を飾った。
根附海龍や浦野建隼など、海外で活躍するスケーター達を抑えての優勝は、彼のスケート人生においても歴史に残る1日になっただろう。
この日の為にずっと努力してきた姿に最大限のリスペクトを送りたい。
【衝撃的すぎる唯一無二のトリック/根附海龍】
根附海龍/ノーリーインワードヒールフリップ フロントサイドボードスライド
前回大会で優勝している根附海龍は予選から安定した滑りを披露し、他を圧倒するオリジナルトリックを武器に2位に入賞。
根附海龍/バックサイド180ヒールフリップ レイトショービット
ベストトリックでは、かなり距離のあるバンクトゥバンクのセクションを、バックサイドヒールフリップレイトショービットで飛び越える、衝撃的すぎるトリックを披露。
(空中で半回転しながら板を縦に1回転させ、空中で板をキャッチした後にさらに板を横に半回転させる技)
ジャッジには着地がスケッチー(完璧ではない)と見なされたのか、最高得点は出なかったが、根附が持つ得意技ヒールフリップとレイトショービットの複合技に、会場にいる全員が驚きを隠せなかった。
今現在、このバンクtoバンクで同様の技をメイク出来るのは世界中でも根附海龍しかいないと言っても過言ではないだろう。
【最年少ながらハートの強さはすでに一流/藪下桃平】
藪下桃平/キックフリップ
優勝した濱村大征と同様に、高い集中力とメイク率(成功率)の高さを誇る藪下桃平が3位に。
藪下桃平/ビガースピンフリップボードスライド
前走者がどんなにすごいトリックで会場を沸かせても、常に冷静沈着に自分のペースで得点を重ねていく姿にハートの強さを感じた。
伸び代しかない13歳の今後と、Finalでの活躍に大注目のスケーター。
【記憶に残るスケーター/玉野辰磨】
玉野辰磨/ノーリーヒールフリップバックサイドノーズスライド
この日、予選を一番沸かせたのは最年長の37歳、玉野辰磨だった。
ベストトリックでは、大技のノーリーヒールフリップバックサイドノーズスライドにトライするも失敗。1本目から鎖骨あたりを痛めてしまう様子が見て取れた。
実際に近くで撮影していて、小声で「あ、やったかも」と言いつつかなり痛そうにしている姿から、2本目以降行けるのかな?と思っていたが、2本目、3本目、4本目と派手に失敗するも果敢に挑戦を続け、最終5本目で見事にクリーンメイク。
何度転げ回っても立ち上がり、最後には狙った技を決めきるその姿に、会場からは大きな拍手が送られた。
【海外からも注目される大会】
JSL第1戦決勝のランYouTubeより
(YouTube:https://youtu.be/tDQpEetDEpo)
本場ストリートリーグや、東京五輪での日本人スケーター達の活躍を機に、今や世界中のスケーターから注目を集める日本のスケートシーン。実際にJSLのYouTube映像は、日本よりも海外からのアクセスが多いという。
スケートボード人気に加えSNSの普及もあり、目まぐるしく変わる昨今のスケートボードシーン。次なるニューヒーローは誰か?
日本のスケートシーンに世界も注目している。
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