この投稿をInstagramで見る
7月13日(現地時間)にブラジルの首都ブラジリアで、世界最高峰のスケートボードコンテストとなるストリートリーグ(Street League Skateboarding以下SLS)のテイクオーバー大会が開催され、男子は地元ブラジリア出身のフェリペ・グスタボ(34歳)が優勝。
通算優勝回数を2回に伸ばした。フェリペは2007年(当時16歳)に高校を中退し、友達や家族が住む故郷を離れアメリカへ移住しており、故郷でのSLSは今回が初めて。
ちなみにこの歳にタンパアマを制しており、彼の父親がアメリカへの資金を捻出するために車を売ったという話は、スケーターの間ではあまりにも有名なエピソードとして語られている。
2位はジオバンニ・ビアンナ(24歳)、ワイルドカードジャムを勝ち上がったガブリエル・アグイラ(25歳)が3位で表彰台入りし、表彰台は全員ブラジル勢となった。
この投稿をInstagramで見る
女子はライッサ・レアウ(17歳)が優勝し、SLS通算優勝回数を14回に。2位はママさんスケーターの、ガブリエラ・マゼット(27歳)。3位はドゥダ・リベイロ(14歳)となり、男女ともにブラジル勢が表彰台を独占した。
SLSは世界中から厳選され、招待を受けたトッププロのみが出場できる、世界最高峰の大会。2025年度はアリーナ大会とテイクオーバーイベントが開催され、各大会のポイントランキング上位者は、最終戦となるスーパークラウンへの出場権を手にすることができる。
※詳細は次項にて
【SLSテイクオーバーのルールと今後の予定】
この投稿をInstagramで見る
●SLSテイクオーバーイベントは、コース内の自由な場所で1発技を行うシングルトリック(五輪で言うところのベストトリック)を7本行い、上位3本の合計得点で順位が争われる(1トライにつき10点満点で採点)。合計得点が同点の場合は、点数が高いシングルトリックを決めた方が上位になる。
※9点台の得点はナインクラブと呼ばれ、賞賛される。
●判定は3人の審査員によって行われ、10点満点方式で採点。
●男子のテイクオーバーにはワイルドカード枠が2つ用意されており、ワイルドカードジャムで勝ち上がった2人が、テイクオーバーイベントに参加できる。
ジャムは採点制ではなく、初めに1本づつトライした後に15分間順番に次々と滑走し、ラスト1分はフリーのカオス状態に突入、終了時点で上位4人が5分間の延長戦へ進む。
最終的に上位2人が、本戦へ勝ち上がるという形式。
●今後はテイクオーバーイベントが、8月9日にオハイオ州クリーブランドでの開催が予定されている他、アリーナ大会が10月11日にパリで、11月にテイクオーバーイベント(詳細未定)、12月6日から7日にかけてブラジルのサンパウロで、スーパークラウンが予定されている。
※7月13日時点
●アリーナ大会ポイントの上位12名と、テイクオーバー大会ポイントの上位8名にはスーパークラウン出場権が与えられ、この内上位2名がスーパークラウン決勝へのシード権を獲得することができる。
【ライッサが安定の優勝/女子決勝】
この投稿をInstagramで見る
女子決勝は、今大会出場への予選大会となるセレクトシリーズを制したイザベリー・アヴィラ(20歳)と、ドゥダ・リベイロ(14歳)、ガブリエラ・マゼット(27歳)、マリナ・ガブリエラ(22歳)、ライッサ・レアウ(17歳)のブラジル勢と、フィリピンのマージリン・ディダル(26歳)計6人で争われた。
元々出場予定だった、パメラ・ローザは前日練習で怪我をしてしまい棄権している。
以下、上位3人の滑りを紹介
※()内は合計得点。
【シングルトリック1本目】
ドゥダ・リベイロがハンドレールで、フロントサイドスミスグラインドを決め4.0点。
ガブリエラ・マゼットはハンドレールで、フロントサイドボードスライドを決め2.9点。
ライッサ・レアウはハンドレールで、キックフリップフロントサイドボードスライドを決め6.8点。
【シングルトリック2本目】
ドゥダ・リベイロがハンドレールで、フロントサイドリップスライドを決め3.7点(7.7)。
ガブリエラ・マゼットはハンドレールで、フロントサイドフィーブルグラインドをミス(2.9)。
ライッサ・レアウはハバレッジで、バックサイドスミスグラインドを決め7.0点(13.8)。
この時点ですでにライッサ圧勝の雰囲気を漂わせ、3本目へ。
【シングルトリック3本目】
ドゥダ・リベイロがハバレッジで、フロントサイド50-50グラインドを決め4.5点(12.2)。
ガブリエラ・マゼットはハンドレールで、フロントサイドフィーブルグラインドを決め5.0点(7.9)。
ライッサ・レアウはステアで、360キックフリップをミス(13.8)。
【シングルトリック4本目】
暫定2位のドゥダ・リベイロ、ハバレッジでフロントサイド5-0グラインドを狙うがミス(12.2)。
暫定4位のガブリエラ・マゼット、ステア横のハバレッジでバックサイドノーズスライドを狙うがミス(7.9)。
暫定首位のライッサ・レアウ、ハンドレールでフロントサイドブラントスライドを決め6.2点(20.0)。
ライッサの独走状態で5本目へ。
【シングルトリック5本目】
暫定2位のドゥダ・リベイロ、ハバレッジでフロントサイド5-0グラインドを乗るが、着地のバンクインでまくられてしまい転倒(12.2)。
暫定4位のガブリエラ・マゼット、ステア横のハバレッジでバックサイドノーズスライドを決め3.6点(11.5)順位は変わらず。
暫定首位のライッサ・レアウ、ステアで360キックフリップをミス(20.0)。
ライッサの首位は変わらず6本目へ。
【シングルトリック6本目】
暫定2位のドゥダ・リベイロ、ハバレッジでフロントサイド5-0グラインドを決め5.2点(13.7)順位は変わらず。
暫定4位のガブリエラ・マゼット、バンプでギャップ越えのオーリーを決め5.4点(14.0)暫定2位に浮上。
暫定首位のライッサ・レアウ、ステアで360キックフリップを決め8.0点(21.8)。
ライッサの優勝モードで7本目へ。
【シングルトリック7本目】
ここで順番が下位からに変わり、最終トリックへ。
暫定3位のドゥダ・リベイロ、2位に上がるには4.4点が必要な場面。ハバレッジでバックサイドノーズスライドを狙うがミス(13.7)。2位が確定のガブリエラ・マゼット。
ステア横のハバレッジでバックサイドノーズスライド 270ショービットアウトを狙うがミス(14.0)。ウイニングランとなったライッサ・レアウ、ハンドレールでフロントサイドハリケーングラインドをミス(21.8)。
この投稿をInstagramで見る
クロエ・コベルや日本勢のいない今大会は、ライッサの完全勝利で幕を閉じた。実況によるとライッサは過去20回SLSに出場し、今大会で14回優勝しているという。
なんという勝率だろうか。
【見応えいっぱいのワイルドカードジャム】
この投稿をInstagramで見る