日本にストリートスケートはないってよ?
2020.02.05
Spotをご覧のスケーターのみなさま、遅くなりましたが新年あけましておめでとうございます。Captain Cap Jです。
今年もよろしくお願いします。数年前まで海外のスケート記事を翻訳したりするブログをやっておりました。
本名で「根っこは何処へゆく」というスケボーと尺八のドキュメンタリー映画を作りました。
DVDと書籍発売中です。よろしくどうぞ。
2020年今年はオリンピックイヤー。
ついにスケボーが正式種目となる記念すべき大会が、しかも日本の東京で開催される年!
個人的には誰がメダルとるとかの結果よりも、誰が解説の席をゲットしうまい飯を食うのか、そしてその後のスケートシーンの行方のほうがよっぽど気になるんですが。
そんな中、あのニューヨークタイムスで日本のスケートシーンについての記事が出てました。
ニューヨークタイムスにこんな記事が載る時代になったんですね~!一体誰のニーズに応えたんだ。笑
内容をざっと下にまとめます。
・スケートボーディングがオリンピック種目になっても、日本では悪ガキの遊びだと思われている
・スポットに着くまでは板に乗らない
・川向こうには綺麗な公園があり、路面もよくて縁石もステアもレールもあるが、そこでは滑れない
・日本は礼儀作法に厳しい文化で、目立つことより周りと調和することが美徳
・地下鉄に乗るのにも列を作るし、人前で飲食もほとんどしないし、街にゴミはほぼ落ちていないしグラフィティもない
・同じシャツを着たサラリーマンの群れ、公共の交通機関に掲げられるお静かにという看板、名刺は両手で受け取り、さよならを言う時はお辞儀のダンス
・それとは真逆のうるさくて小汚いスケートボーディングは日本社会の隅に追いやられてきた
・街でスケートに乗ると不良だと思われる。手に持って歩いているだけでも職質される
・「スケボーならパークでしろ」と言われるが完全にスケートを誤解されている
・他のカウンターカルチャーと同様、スケートもメインストリームに呑み込まれた
・スケートの文化やスタイル、ファッションはお手軽に反抗的な感じを出せるアイテムになった
・アメリカからの中古の板、VHSのビデオや雑誌くらいしか情報源がなかった時代から、数十年を経て東京の街はスラッシャーのTシャツを着てバンズを履く人で溢れるようになった
・スケートショップもパークも増えている。ただ、ストリートスケートだけがない
・スケートの人気が高まるにつれて、もっと社会に受け入れられて規制も緩くなると思われたが現実は正反対だった
・ストリートスケートは「迷惑行為」
・それでも日本の若い世代のスケーターは、オリンピックでメダルを期待されるほどの実力
・地方ではスケートパークがオープンし、親が子供をスクールに入れる。もはやスケートパークはボルダリングのジムと同じ。閉じた空間で親の許可のもとでやるものになった
・一般的にスケートはスポーツだと思われるようになってきたが、本当のスケートはカウンターカルチャーだということは理解されていない
こんな感じで、これだけ読むと日本じゃストリートは絶対滑れないっぽい印象受けちゃいます。笑
でも確かに都会のほうだと警察がめちゃくちゃ厳しくなってきたと聞きくし、危機感は伝わります。
なんでニューヨークタイムスはこの記事作ったんだろ?笑
それにしても拙作「根っこは何処へゆく」でも危惧していた事態にだんだんとなってきてますね・・・
日本社会ってやっぱ息苦しいところはありますね。でも実はアメリカも昔はそうだったんですよ。ただし戦う人たちがいて自由を勝ち取ってきたってところが、日本とは決定的に違う気がします。最近読んでる本で知ったんですけど、60年代のアメリカではコメディアンが大麻のことをネタにしようとした瞬間、客席にいた私服警察に捕まるような状況だったらしい。むしろ今の日本よりひどくね?それが半世紀を経て今じゃ州によっては大麻合法ですからね。
考えれば当たり前なんですけど、やっぱ自由は与えられるもんじゃないし、世の中はなんとなく良くなって行くもんでもないです。
今でも思い出すんですけど、自分が中学校のときって男子全員、校則で坊主だったんですよ。今の若い子信じられます??みんなそういうもんだと思ってたから疑問も持たない。で、そんな中ひとりの男子が「それはおかしい」と言いだして髪を伸ばし始めたんです。
先生から睨まれるのは当然、他の生徒たちからも変人扱いされてました。何を隠そう私だって彼のことを和を乱す変なやつだと思っていました。笑 しかも自分は野球部だからどっちにしろ坊主だし関係ない、とまで思っていました。なんで野球部は坊主って決まってるんだ、とちょっと考えれば浮かびそうな疑問すら中学時代の自分は持てませんでした。
長髪の彼は先生から呼び出しをくらいながらも髪を切ることなく、夕方の地方ニュースに出演して校則のおかしさを訴えたりしていました。私は彼をヤベーやつだと思いました。しかし世の中的にも長髪がオーケーになる中学が増えてきたという背景もあったと思いますが、ついに中学3年の冬、我が校でも坊主の校則がなくなりました。
その後のことがめちゃくちゃ印象に残ってるんですが、校則で長髪がオッケーになった瞬間、あんなに長髪の彼をバカにしていた男子全員が一斉に髪を伸ばし始めたんですよ。むしろ今だに坊主にしていた私がバカにされたりして。笑 みんなの変貌ぶりが結構ショックでした。
これは今考えればいい経験になりました。今のいろんな社会問題にも同じことが言えると思います。世の中の大人でも大半は、長髪の彼をバカにしていた僕らと本質的に変わってないと思います。正しいとか間違ってるとかじゃなく、規則こそ絶対だと信じてる人は多い。そのほうが考えること減って楽だし。だから規則が変わればそれに従うだけ。そこだけはずっと変わらない。自由とか正しさとか、そういうところでは考えてない。
幸い自分はパンクに出会ったことで、途中で気づくことができました。スケボーにもパンクと同じ力があると信じています。そういう気づくきっかけに出会うか出会わないかは大きい。だからこそパンクが青春ソングみたいになるのは嫌だし、スケボーが単なるスポーツになって欲しくもない。
変人はスケーターにとってむしろ褒め言葉だと思います。続けましょう。
それにしてもストリートスケートをどう正当化するか?ってとこは大きな問題だと思います。
やっぱグラインドとかしたら縁石傷つくし、ワックス塗ると黒くなって汚くはなりますからね。
昔どこかで読んだジェイク・ジョンソンのインタビューが印象に残ってます。
「ビルとかの建物にしても、本来は誰のものでもない、所有という概念に疑問がある、全ては生きている間借りてるだけ」みたいなことを言っていたと記憶してます。
まるで仏教の無の境地です。
そもそも、ここは「誰々の土地だ」というときの根拠って何なんでしょう。
証明書??でも突き詰めたら、一番最初に誰かが「ここ俺の土地だから」って勝手に言い出したのが始まりでしょう。
本来地球は誰のものでもないんだから。
真実としては土地でも何でも、本当は人間が「所有」してるもんなんて一つもない。
誰のものでもなければ誰のものでもあるわけで、そうなると社会が混乱して北斗の拳みたいな世界になっちゃうから便宜上、土地の所有権とかが存在するだけ。
だからこんど警備員さんか警察に捕まったら堂々と言ってやりましょう!
全ては無、この世は幻であると。
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