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スケートを題材としたドキュメンタリー映画『アイ・アム・タレント』が6月29日より公開
漆(うるし)×スケートボード

スケートを題材としたドキュメンタリー映画『アイ・アム・タレント』が6月29日より公開

2018.06.04

南アフリカのスケートパークに住むホームレスの少年タレント・ビエラが、スケートボードひとつで身を立てるというチャレンジに挑むドキュメンタリー『I AM THALENTE(アイ・アム・タレント)』が、6月29日よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて順次公開。

 

spotskateboarding/スポットスケートボーディング

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■ ストーリー

 

タレント・ビエラは18歳の誕生日を目前に、大人になったら何になりたいか決断の時を迎えていた。9歳で家を飛び出しホームレスとなり、南アフリカのスケートパークで暮らしてきたタレント。読み書きもできない彼には明るい未来を描くことは難しかったのだ。

 

歳の時、初めて手にしたスケートボードが、彼に混乱した家庭からの逃げ場と自分自身を表現する手段を与えてくれることになる。そして、仲間に出会う道を示し、彼らとファミリーをもたらすことになる。それ以降、スケートボードは彼の人生の原動力となり、ダーバンの路上で暮らす彼の尊厳を守ってくれるのだった。

 

タレントのスケートボーディングをビデオで見たプロスケーターのケニー・アンダーソンは、彼に援助を申し出た。ただし、自分でアメリカに来ることができるならという条件付き。映画では、ストリートからアメリカのプロスケートボーディング界への彼の旅を追いかける。

 

タレントは、自分を取り巻く環境から抜け出し、自分の将来を築くために、全身全霊をかたむけることになる。それは自分の未来を勝ち取るための戦いだった。

 

■ 予告編

 

 

 

「Thalente Biyela (タレント・ビエラ)」とは?

 

「タレント」という名前はズールー語で“才能”を意味する。

 

タレント・ビエラは継父の暴力から身を守るため、9歳の時にダーバンのストリートに逃げ出した。初めてスケートボードを手にしたのは2002年。すぐに夢中になったという。以来、彼はすべての時間とエネルギーをボードに向け、その後の8年間、スケートパークに住みスケートボードを枕にして暮らす。彼のスケートボードに対する情熱は高まるばかりだった。辛い現実からの逃避としてはじめたことが人生そのものになったのだ。

 

タレントは技のレパートリーの広さと流れるようなスケーティングスタイルで、注目を集めるようになる。スケートボードをしていない時でも、人をひきつけずにはいられないカリスマ性と魅力があった。彼は南アフリカのストリートから抜け出し、スケートボードで身を立てるというチャレンジに挑む。それは未来をかけた人生最大のチャレンジだ。

 

ロサンゼルスに移住してからも、タレントのスケートボードに対する情熱は変わらない。2014年にはスケート・キャンプでスケートボードのコーチ兼カウンセラーとして働き、その後もロサンゼルス近郊でスケートボードのコーチとして活動を続けている。また学校や講演会で自身の経験や希望を語り続けている。エレメント・スケートボードをはじめとしたスポンサーも付き、スケートボード・ビデオも発売された。

 

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監督・ナタリー・ジョンズからのメッセージ

 

『I AM THALENTE』は、ティーンエイジャーから青年へと成長するタレント・ビエラの3年間を捉えた物語です。それは南アフリカの路上から、スケートボーディングでキャリアを築くという彼の夢を追う旅でもあります。私は前向きな物語を求めていました。彼のバックグラウンドは、彼がどれだけ遠くまで来たかを理解する助けにはなりますが、今ここで起こっていることを見る目を曇らせてはなりません。彼の経験を記録することで、私は彼に自分のストーリーをシェアするプラットフォームを提供したかったのです。それは見る人たちに自分が置かれている環境から抜け出し、自らの限界を超えるという挑戦をより深く理解する助けになるはずだと思ったからです。

 

物語の中心は、スケートボードを愛するタレントの情熱が彼の人生で果たす役割です。スケートボーディングは彼の生き方を定義づけるものです。彼の自信や謙虚さの源であり、何も持っていなかった彼の家族であり、未来でもありました。本作ではこのグローバルなカルチャーの土台ともいえる人間愛とか人情と呼ばれるものを掘り下げます。その純粋な感情を体現したのがタレント・ビエラに他ならないからです。

 

私はタレントの勇敢さに引かれました。2011年にはじめて彼に会ったのですが、それまで彼は8年間も路上で生き延びてきました。南アフリカで育った者として、それがどれほど過酷で危険なことかよくわかります。彼は私に対してオープンで正直、そしてユニークな世界観を持っていました。私は彼の信頼を裏切ることはできないと思いました。彼の物語を伝えることで、同じような環境にいる人たちを助けることができるのではないかと考えたのです。

 

スケートボードのコミュニティに受け入れられることは、このプロジェクトには必須でした。タレントのスケートボードの才能と彼の物語は、スケートボード・カルチャーではどちらも驚くべきものであり共有できるものでした。だからこそ、私がシェアした彼の話はスケートボーダーの間にパワフルな反応を起こしたのです。彼はすでにたくさんの人やチャンスを引き寄せていました。彼に必要だったのはそのコネクションを生かすことでしたが、それは路上生活をしていた彼にはできないことでした。最初のインタビューで彼自身が言ったことはまさにそのことです。

 

「良くなる方法はある。いい仲間とスケートをしていればいい影響を受け、いいことが起こる」

 

彼のこの言葉は、彼自身が大人になる過程の比喩だったのかもしれません。彼は誰もが当たり前のように受けている基本的な家族の支えや指導、日常の世話などを得られませんでした。スケートボード・コミュニティで彼が尊敬できる人が周りにいれば、彼はその人たちをお手本にできたでしょう。

 

私はドキュメンタリー映画の監督に大きな影響を受けています。たとえばローリングストーンズの「ギミーシェルター」のメイスルズ兄弟。彼らは「真実」、そしてそれが物語にもたらす価値を信じていました。私は、見る者が経験しているかのようにある瞬間を記録することに強く惹きつけられました。一方で、ヴィム・ヴェンダーズの詩的な作風、彼が作り出すキャラクターも大好きです。フィルムメーカーとして心がけていることは、記録している人物が動いている生き生きした姿を捉えることです。キャラクターとしてのタレントには、彼のスケートボードの才能や優雅さだけでなく、そのユニークな世界観、常に自分自身に正直なことや勇敢さに惹かれました。

 

社会的理由から非営利団体と一緒に仕事をし、また私自身南アフリカで育ったこともあって、単なる施し物ではないエンパワーメント(社会進出)の必要性を本質的にわかっていました。私の目的は、タレントに安定した生活を提供し、彼を支えることでした。そうすることで、彼はそこからどこへ向かうのか、自分で決めることができるのです。タレントと一緒に彼の冒険に参加することはリスクでもありました。冒険の結末がどうであれ受け入れる覚悟が必要で、それが映画にする価値のあるものかもわからなかったのです。個人的にはリスクは大きなものではありませんでした。タレントを信じていたからです。子供の頃から8年もの間、路上で生き延びてきた彼にできないことはないと考えました。

 

私は完璧なフィルムメーカーでも保護者でもありません。実際、旅がはじまって私は親代わりといった立場、不自然なまでの客観性、誰かを護ろうとする強い気持ちなどの嵐の中に放り出されました。しかも私は、自分が護りたい対象をカメラのレンズと自分の人間性という2つの目を通してみていたのです。けれども、タレントと一緒に仕事をし、また彼の世話をするという経験は、私自身の人生や選択に、そして世界観にも大きな影響を与えてくれました。そのことについてはとても感謝しています。

 

 

■ 作品の詳細情報

公開日:2018年6月29日

配給:レイドバック・コーポレーション

製作国:アメリカ(2016)

ジャンル:ドキュメンタリー

監督・プロデューサー:ナタリー・ジョンズ

出演:タレント・ビエラ、トニー・ホーク、ケニー・アンダーソン ナタリー・ジョンズ、タミー・リー・スミス、シルサ・シェキム、コリン・ケネディ、シズウェ、ガイ・マリアーノ、マーク・ジョンソン、ジャスティン・エルドリッジ、フェリペ・グスタヴォ、トム・アスタ、ランス・マウンテン

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